マイニング大手Poolin、ビットコインなどの採掘報酬を出金停止へ

Poolinの出金停止

大手暗号資産(仮想通貨)マイニングプールのPoolinは5日、9月5日以前に採掘されたビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の出金を一時停止すると発表した。

同社は「直近の出金需要の増加」による流動性問題を指摘。一方で、流動性と運用の安定化を目的としたキャンペーンを開始している。

リリースによると、プール上の5日時点のBTCとETH残高の出金は一時停止となる。残高の記録(スナップショット)が保存され、払い出しスケジュールの詳細は追って報告される。なお、9月6日以降に採掘された仮想通貨は毎日支払われるという。

流動性問題による出金停止措置は、仮想通貨融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)や、仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalに続く動き。どちらもその後、米連邦破産法の適用を申請した。

なお、Poolinは財務上の健全性を強調している。

すべてのユーザー資産は安全です。会社の純資産はプラスなのでご安心ください。

出典:BTC.com

Poolinは、BTCのハッシュレートの10%を占める世界的なマイニングプール。同社は流動性問題の原因について明言していないが、北京に拠点を置くため規制上のリスクも懸念される。

米メディアCoinDeskによると、Poolinの公式Telegram上では少なくとも8月から、出金対応に関するユーザーの不満が見られるようになった。

PoolinのKevin Pan最高経営責任者(CEO)は現在、採掘マシンを担保にした融資も検討しており、出金再開時期や詳細な計画について2週間以内に発表するとSNSへの投稿で述べている。

マイニングプールとは

ネットワーク上で複数のマイナーのハッシュレートを集めて、マイニングを行う組織のこと。採掘の結果、見つかった報酬は、参加したマイナーが貢献した度合いに応じて分配される。

▶️仮想通貨用語集

関連:仮想通貨融資企業セルシウス、カストディ口座の出金再開を申請

手数料ゼロキャンペーン

残高の出金を停止する一方で、Poolinは流動性をつなぎ留めるためにキャンペーンを開始する。9月8日~22年12月7日までの全ユーザーに対して手数料ゼロを適用。さらに、プール残高に1BTC以上、5ETH以上を保持するマイナーは手数料ゼロ期間が1年間に延長されるオプションを提示した。

加えて、仮想通貨の払い出し計算を、「フルペイパーシェア(FPPS)」から、より成果報酬型度合の高い「ペイ・パー・ラストNシェア(PPLNS)」に変更する。

PPLNSでは、プールがブロックを作成してBTCが発生した場合にのみ、直近Nブロックの貢献に応じてマイナーに報酬が分配される。マイナーがPPLNSプールから切断した場合、ブロック発見前に貢献したすべてのシェアが無効化するため、プールの切り替えを抑制する効果がある。

関連:初心者でもわかる、ビットコインのマイニング(採掘)とは 3種類の方法を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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