GMO米国法人、仮想通貨カストディ大手と提携 機関投資家向けに日本円ステーブルコインGYENの提供開始

機関投資家にGYEN提供開始

GMOインターネットグループ株式会社の米国法人GMO-Z.com Trust Companyは13日、暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Anchorage Digitalとの提携を発表した。

これにより、アンカレッジ・デジタルがGMO Trustの発行する日本円ステーブルコイン「GYEN」の提供を開始する。

GYENは米国の銀行法を遵守する担保型ステーブルコイン。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の認可を取得しており、日本円と1:1の交換レートで発行と換金が可能。

裏付け資産は連邦預金保険公社(FDIC)の加盟銀行に保管されており、外部の公認会計士から毎月監査を受けている。

ステーブルコインとは

価格が安定している暗号資産の一種。一般的には米ドルなどの法定通貨に1:1の割合で価値を保つことを目指す。

米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)は2017年に設立された仮想通貨カストディ企業(信託銀行)。2021年1月には米国初の国法銀行として認定を取得したほか、昨年末には400億円規模の資金調達ラウンドを完了していた。

関連:Anchorage、400億円のシリーズD完了

アジア圏への拡大を図る

今回の提携についてアンカレッジのDiogo Mónica共同設立者は以下のようにコメントした。

「GYEN」は、私たちが長い間望んでいた素晴らしいサービスです。

規制に準拠したステーブルコインである「GYEN」は、より迅速な決済やアクセスのしやすさ、安定した価格の実現を通じて、円通貨のグローバル競争力を高めてくれます。

日本円と1対1の交換レートでご利用いただける新たなステーブルコインをお客様に提供できることを嬉しく思っています。

また、GMO-Z.com Trust Company, Inc.の中村 健太郎CEOは以下のように見解を述べた。

アンカレッジ・デジタルは、規制を遵守した暗号資産カストディと取引業の大手企業であり、「機関投資家やトレーダーがステーブルコインを効率的なデジタル資産として受け入れている」という認識を私たちと共有しています。

この度、高まっている機関投資家のニーズに応じて柔軟にプロダクトを改善し、グローバル規模で機関投資家を引きつける力を備えている、アンカレッジ・デジタルを提携先として決めました。本提携を通じて、規制を遵守したステーブルコイン「GYEN」のグローバル展開を共に促進できることを嬉しく思います。

双方の提携はアジアの機関投資家へのサービス提供拡大を念頭に至った。これを受け、今後はアンカレッジの顧客である機関投資家向けに「GYEN」の提供を始動する。

同社の顧客ベースには多数のVCファンドやフィンテック企業、そして決済大手Visa社などある。

なお、日本円ステーブルコイン「GYEN」は日本国外での流通を目的としており、日本国内居住者への販売は対象外だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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