ウルグアイ行政府、仮想通貨規制法案を国会に提出 監督権限は中央銀行に
中央銀行に仮想通貨規制の権限
南米ウルグアイの行政府は先日、暗号資産(仮想通貨)の規制法案を国会に提出した。この法案は、同国における仮想通貨の規制方法を明確にすることを目的としており、ウルグアイ中央銀行(BCU)に監督機関としての法的権限を与えると記されている。
法案ではBCU憲章の改正が提案されており、仮想通貨サービス・プロバイダーはBCUに属する金融サービス監督局(SSF)の監督下に置かれることになる。
仮想通貨サービス・プロバイダーは、「第三者に対して定期的かつ専門的に1つ以上の仮想資産サービスを提供する事業者」と定義され、以下のようなサービスが対象となる。
- 仮想通貨の交換・取引
- カストディと管理
- 発行者による仮想通貨のオファー/販売に関する金融サービスへの参加及び提供
なお、BCUは仮想通貨を発行するためのソフトウェアを作成しただけでは、その開発者がサービスプロバイダーとは見なされることはないと明示した。
一方、仮想通貨の発行者は、仮想通貨サービス・プロバイダーとともに、SSFによる認可、規制、管理、処罰の対象となる新たな企業カテゴリーに組み込まれ、SSFの監督下に置かれることになるという。
証券市場法の改正
さらに、仮想通貨を証券保管機関に預託する証券(ブック・エントリー証券)として扱えるよう、証券市場法を改正することも法案では検討されている。法律で定められた要件に準拠した登録事業者のみが、仮想通貨を発行できるようなシステムを目指しているようだ。
ウルグアイの上下院の承認を経て法案が成立した場合、仮想通貨を取り扱う事業者は、新旧を問わずBCUの監督権限の下に置かれることになる。また、ウルグアイで仮想通貨サービスを提供する全事業者は、マネーロンダリング及びテロ資金供与防止に関する規制を遵守することが求められる。
BCUによる法案提出
現地メディア「El Observador」によると、BCUの理事会は今年5月に、昨年12月に公開された「ウルグアイにおける仮想通貨の規制上の取り扱いに関する概念的な枠組み」に基づいた、独自の法案を経済財務省(MEF)に提出していたという。
BCUは、その文書で、投資家及び消費者の保護、市場の適切な機能の確保、そして金融安定性と金融政策へのリスク軽減に努めることが不可欠であると述べた。
仮想通貨を合法とする法案
ウルグアイでは、これまでにも仮想通貨を決済手段として合法化しようとする動きがあった。昨年8月、ウルグアイのJuan Sartori上院議員は、仮想通貨を合法的な決済手段とする法案を提出。「すべての合法的なビジネスで利用できる有効な決済手段」として、仮想通貨を受け入れるよう求めていたが、これまでに主だった進展はないようだ。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します