NFTロイヤリティ問題の打開策、ソラナ「Metaplex」で進展
NFTのロイヤリティ収益
暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)ブロックチェーンでNFT開発ツールを提供する「Metaplex」が、ロイヤリティの自動収益を可能にするトークン規格を構築していることが明らかになった。
NFT(非代替性トークン)市場間の競争激化の影響で、クリエイター手数料「ロイヤリティ」をゼロにするプラットフォームやプロジェクトが増加。VC資金調達を行わない、あるいは立ち上げ当初のプロジェクトにとって不利な状況となり、NFTエコシステムの持続性が危ぶまれていた。
ソラナのNFTエコシステム全体の開発インフラとして影響力を及ぼすMetaplexの展開は、NFTクリエイターの収益問題の解消につながると期待される。
Metaplexは19日、クリエイターがコントラクトレベルでロイヤリティを収集可能にする新しいアセットクラスを構築していることを公表。事実上ソラナ上の全NFTの99%以上が使用しているプログラム「Token Metadata」を拡張することにより実現するという。
クリエイターのマネタイズ方法を検証するため、幅広いプロジェクトや、ユーザー、マーケットプレイスからの意見と協力を募っている段階だ。
多くのプロジェクトがロイヤリティに代わる、NFTクリエイターのマネタイズ手法を模索している。
ソラナ基盤のNFT電子市場大手「Magic Eden」は、NFTの発行者に還元するロイヤリティ手数料について、全額支払うか否かを買い手側で選べる機能「オプション(選択型)ロイヤリティ」を15日に実装したが、NFTのデコレーションサービス「Boots」の採用を発表していた。
Bootsにより、コレクターはNFTをカスタマイズして新しい特性を追加でき、NFTプロジェクトにとっては新しい収入源となる。
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10月初旬にロイヤリティ0%ポリシーを導入したソラナ上のブルーチップNFTコレクション「DeGods」や「y00ts」を手掛けるDust Labsもまた、コントラクトレベルのロイヤリティ収集に取り組んでいる。
Metaplexとは
Metaplexは、ソラナブロックチェーン上でNFTを作成、販売、管理するためのプログラムライブラリであり、開発者向けツールセットでもある。延べ15万人以上のクリエイターが利用しており、700万以上のエンドユーザーに影響力を及ぼしている。NFTの発行総数は1,900万以上に上る。
Fractal、Rarible、OpenSea(SOL版)など様々なマーケットプレイスも、MetaplexのP2P取引プロトコル「Auction House」を採用しており、発行・流通市場の総売上高は34億ドルを越えている。
NFTのロイヤリティ
マーケットプレイスでのNFT取引時に販売価格の一部が自動的にクリエイターに還元される仕組みのこと。これまではNFTの転送トランザクションが、購入なのか譲渡なのかを識別できないため、スマートコントラクトレベルでロイヤリティを課すことができなかった。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します