AptosとSolana、競合ブロックチェーンとみなされる理由とは
AptosとSolana
新レイヤー1ブロックチェーンプロジェクト「Aptos Labs(アプトス ラボ)」では、NFT(非代替性トークン)エコシステムが活発化しているようだ。
競合にあたるソラナ(SOL)で立ち上がったプロジェクトが、Aptos(アプトス)上でもプロダクトをローンチしたとの事例も報じられている。
Aptosはスマートコントラクトプラットフォームとして、イーサリアム(ETH)やソラナのようなレイヤー1ブロックチェーンと競合する。フェイスブックが開発したプログラミング言語である「Move」はシンプルな設計ながら並列処理を実現できる。
Moveはまた、イーサリアムのスマートコントラクト言語(Solidity)やソラナの言語(Rust)の技術者が1~2日で習得可能とも報告されており、既存のネットワークの開発者から注目を集めている。
なお、22年にAptos Labsは計3.5億ドルを調達してきた。Aptosは、6月に助成金プログラムを発表。長期にわたってエコシステムへの献身を示すチームに配分された。
NFT取引プラットフォームSouffl3、資金管理プラットフォームRise Walletなど、これまでソラナで構築してきたWeb3(分散型ウェブ)プロジェクトがAptosでプロダクトをローンチしている。
SolriseのFilip Dragoslavic共同創設者はソラナで過去2年間構築してきたプロダクトを、わずか2日間でRise WalletとしてAptosでローンチできたと説明。CoinPost提携メディアThe Blockに対して以下のように述べている。
特に初期のソラナ構築の複雑さを10点中9点とするなら、Aptos Moveでの開発は4点。この違いがコスト面でインパクトがあり、収益性にも影響するだろう。
さらに、Souffl3のAlex Funke CTO(最高技術責任者)は、「Moveには包括的な標準ライブラリがあるため、Rust と同じプロダクトを構築するのに、必要なコードがはるかに少なくてすむ」と述べている。
一方、ソラナの開発をサポートするソラナ財団のコミュニケーション部長Austin Federa氏は、多くのプロジェクトや創設者にとってマルチチェーンサポートが最優先事項であるため、Aptosに拡大すること自体は理解できると語る。
ソラナの開発者プラットフォームCoralは、ソラナでもMoveで構築できるソリューションを準備しているという。
関連:元Metaエンジニアらが開発する新ブロックチェーン「Aptos(アプトス)」とは
AptosのNFT動向
Aptos NFTマーケットプレイスTopazは、ローンチからわずか5日で累積取引量が約3億円(200万ドル)目前まで来ている。Topazの共同創設者0xclickbait氏は、「仮想通貨業界に携わった4年間で、新たなチェーンのNFTに対して、これほど瞬間的な需要が起きたことはない」と、仮想通貨メディアDecryptに語った。
一方、ソラナではアクティブトレーダー数と取引量が過去1週間で低下している。DappRadarによると、Magic Edenではデイリーアクティブユーザー数が44万から25万に44%減少、24時間の取引量は250万ドルから0.8万ドルへと縮小した。
Topazで最も取引されているAptosのNFTは、1,212点のフラミンゴのコレクション「Aptomingos」プロジェクトだ。Aptomingosは無料発行(フリーミント)で立ち上がったにもかかわらず、Aptomingos NFTコレクションのフロアプライスはTopazマーケットプレイスで執筆時点で76APT(約10万円)に高騰。投資家の熱狂が伺える勢いを見せている。
AptosとSolanaの課題
ソラナ(SOL)のメインネットは2020年4月にローンチしたが、執筆時点では依然としてベータ版。ソラナでは主にボット(bot)由来の大量トランザクションにより、過去数回に渡ってメインネットの大規模な送金詰まりが発生してきた。
5月には、NFT(非代替性トークン)を発行するトランザクションが急増したことで、バリデーターのメモリ使用料を圧迫し、7時間に渡ってネットワークが停止。投資家や開発者から疑念の目を向けられている。
一方、Aptosにも懸念が無い訳ではない。Aptosは10月12日にメインネットでジェネシス(最初の)ブロックを生成したが、その後しばらくはプロダクトがない状態が続いていた。
Aptosテストネットの性能として4,200TPS(秒間取引処理件数)を掲げていたが、執筆時点のTPSは13である。参考までに、ソラナの現行TPSは3,971。さらには、APTトークン配布に関する情報公開も遅れたことから、コミュニティの不満が噴出している。
Aptosの共同創設者Mo Shaikh氏は「もっとうまく出来たかもしれないことを認める」と釈明し、コミュニティの懸念に対処した。
TPS:現在のTPSはネットワーク容量を意味するものではない。プロジェクトが稼働する前にネットワークがアイドリング状態になったからだ。活動が増加すればこの数字も上がることが期待される。
関連:新規上場のAptos(APT)、トークノミクスの詳細は
なお、Aptosはメタ(旧:フェイスブック)のデジタル通貨プロジェクト「ディエム」の元開発者が携わり注目を集めてきた。他にもSuiやLineraと言ったプロジェクトも同じ経緯を持つ。
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