ソラナの大規模なステーキング解除予約、ソラナ財団が釈明
ソラナのステーキング解除
暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)のステーキングが10日中に大量に解除されるとの見通しが広がり、SOLのボラティリティ(価格変動)がさらに高まったようだ。SOLは前日比57%下落している(執筆時点)。
10日17時37分頃に迎えるエポック370の終了時、34,268,068SOL=約700億円(4億7,600万ドル@14ドル換算)がステーキング解除可能になる。一時は5,000万SOLに達したが、このうち2,850万SOLは再びステーキングに戻されたことが、後に明らかになっている。
執筆時点、SOL流通量は3億6,233万SOLであり、解除分は9.4%相当。なお、Staking Rewardsの集計によると、流通可能なSOLの約76.54%がソラナのバリデーターにステーキングされている。
2,850万SOLの移動は、ソラナ・エコシステムをサポートするソラナ財団によるもの。先週、ドイツの大手クラウドホスティングHetzner社がソラナのノードへのネット接続を遮断したため、バリデーターを移設する必要があったようだ。
コミュニティの不満に応じて、ソラナ財団はこの移設を延期する旨を表明したが、市場に不安をもたらす行動と透明性の欠如に対して批判と疑念を集めている。
関連:1,000台以上のソラナノードのホスティングを停止 大手クラウドサービス
Alamedaのバリデーター
投資家にとって最大の懸念は、資金繰りに瀕したAlameda Researchが保有する大量のSOLを売却すること。米Coindeskのリーク情報によると、Alamedaは22年6月30日時点に、SOL単体で2億9,200万ドル、SOLステーキングプールに8億6,300万ドルをロックしていた。現在いくら保有しているかは明確ではない。
アラメダの姉妹会社FTXのバランスシートには8,700億円(60億ドル)超の穴(負債総額が資産総額を超過する状態)があると伝えられており、10日バイナンスはFTXの買収を正式に断念することを発表した。
これらの混乱から投資家の狼狽売りを招き、ソラナは過去3日で38ドルから14ドルに下落した(執筆時点)。
ソラナエコシステムの筆頭バリデーターであるStakewizによると、アラメダが独自に複数のバリデーターを運営していることは長年、「暗黙の了解」だった。8億6,300万ドルは当時のレート(34ドル)で約2,500万SOLに相当するため、仮にアラメダのバリデーターがステーキング解除すると市場へのインパクトは大きいだろう。
アラメダが含まれるかは定かではないが、既に大型バリデーターのステーキング解除予約が蓄積されている。
Stakewizの見立てでは、250万〜300万SOLを保有する約24の大型バリデーターが総量数千万SOLを保有している。そのうち、少なくとも2つのバリデーターが全量ステーキング解除するため、エポック370の出口に並んでおり、その合計は450万SOLに上る。
仮想通貨事業者としては、バイナンスやクラーケン、コインベースクラウド、レジャー社らがバリデーターとして顧客にSOLのステーキング事業を提供してきた。このうち、コインベースクラウドとレジャーがエポック370でそれぞれ588,718 SOLと1,297,813SOLのステーキング解除を予定している。
確かに、大規模なバリデーターのステーキング解除が発生しているが、「同様のサイズの新しいステーキングもいくつか見られる」とStakewizは指摘。
ソラナラボの共同創設者Raj Gokal氏もまた、コミュニティを激励すべくツイッターで以下のように発言。ネットワークの取引処理性能や、ユーザーベースが拡大していることを示すデータを添えた。
ソラナエコシステムにとってこの試練は前回と同じくらい厳しい。しかし、今回は団結する人数が10倍多い。何度でも我々はより強くなる。ファンダメンタルズは以前より良くなっている。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します