ビットコイン17000ドル台に反発、アルト相場は前日比7.7%高のイーサリアムが主導

マクロ経済と金融市場

29日の米NY株式市場では、ダウは前日比28ドル(0.1%)安で取引を終えた。

前日まで、新型コロナウイルスの感染者数急拡大に伴う中国主要都市で、厳しい行動規制を強制する「ゼロコロナ政策」に反発する大規模デモが発生。政情不安や景気悪化懸念が強まっていたが、中国政府が規制案の部分緩和を示唆したことで懸念が和らいだ。

11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多くの参加者が利上げペースの縮小を支持していたが、パウエルFRB(米連邦準備制度)議長の講演を控え、タカ派発言への警戒感も根強い。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比4.5%高の16,977ドル。

BTC/USD日足

相場の悲観が強まる中、上値抵抗線として頭を押さえつけていたトレンドラインを上回った。このまま戻り基調を辿った場合、一目均衡表の雲のねじれに向かう可能性も考えられる。

時価総額2位のイーサリアム(ETH)が前日比7.7%高となったほか、7位のXRPが5.1%高、11位のポルカドット(DOT)が5.9%高となった。

メジャーアルト騰落率:Messari

Nebraskangooner氏は、ETHの価格推移でトレンドラインと日足EMA(指数平滑移動平均線)のブレイクを指摘した。

なお、自律型ボット「Real Vision Bot」の最新のポートフォリオでは、イーサリアムが首位をキープした。

Real Vision Bot

第2位には、ETHのスケーリングソリューションとして設計されたポリゴン(MATIC)が、以下、ビットコイン(BTC)、ステーブルコインUSD Coin(USDC)、アバランチ(AVAX)、コスモス(ATOM)、ポルカドット(DOT)と続く。

アラメダショックおよびFTX破綻を経て、投資家の銘柄選定が安定志向に回帰しつつあることを示唆している。

Real Vision Botは、金融コンテンツプラットフォームReal Visionから専門家のシグナルを集合知として収集した上、週2回のトレーダーの感情調査(群集心理)を加味して運用するものだ。クオンツアナリストのMoritz Seibert氏と、統計学者でヘッジファンドを運用するMortiz Seibert CEOによって共同開発された。

最新の人工知能を利用した「The Netflix of Finance」(Real Vision) に関する金融市場の専門家へのインタビューから、分析および学習する研究プロジェクトとしてスタートした。

Global Macro InvestorのRaoul Pal CEO率いるリサーチ企業Real Visionによると、「Real Vision Bot」の投資実績は、今年3月時点で暗号資産(仮想通貨)TOP20指数に対して20%以上アウトパフォームした。

オンチェーンデータ分析

データ分析企業Glassnodeは、28日掲載の週次レポートで、FTXグループの破綻は、ビットコインの歴史上最大級の”降伏イベント”を引き起こしたと主張。

負の連鎖によるボラティリティ(価格変動性)を消化しきり、相場回復には時間を要する可能性が高いと慎重な見立てを示す一方、2018年の(バブル崩壊後)弱気相場の大底と比較して、いくつかの類似点があることを指摘した。

例えば、総時価総額における市場規模に対する”含み損の規模”を定量化した週平均の「相対未実現損失」は、節目となる50%を上回り56%に達した。これは2018年〜2019年の71%に次ぐ水準となる。

glassnode

また、投資家の平均利益/損失を評価するために用いられる「調整済・実現価値(MVRV)」比率は、0.63まで低下した。

(市場時価総額:MV-実現時価総額:RV)/MVを用いる指標で、プラス圏は「オーバーバリュー(割高圏)」を。1.0以下のマイナス圏は「アンダーバリュー(割安圏)」を示すものだ。

これらのデータは、投資家の損失平均を大幅に上回る統計的偏差であり、ビットコイン保有者の未実現損失(含み損)は、2015年と2018年の弱気相場の大底圏に匹敵する過去最低水準まで落ち込んでいる。

オンチェーンアナリストのWilly Woo(@woonomic)氏も同様の見解を示す。

同氏はBTC価格の下値は「Max Pain モデル」の下限に近づきつつあると主張。歴史的には、BTCの58〜61%がオレンジ色の含み損ゾーンに達した場合、マクロサイクルの底値圏にあると分析できるとした。

緑色のゾーンは、グレイスケールの投資信託「ビットコイントラスト(GBTC)」保有分を示すという。

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