はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

グレースケール投信GBTC、関連会社の流動性危機の影響は? Genesis Capitalの戦略的オプションに?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン投信の懸念

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXグループの経営破綻により、流動性危機に直面したレンディング大手Genesis Capital(ジェネシス)。

ジェネシスが破産する可能性について様々な情報が錯綜しているが、その一方で同社の姉妹会社グレースケールが発行する投資信託「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」に対する懸念、及び憶測が投資家の間で広まっている。

関連:米Genesis Capital、償還とローン組成のサービスを停止

資産運用会社Bernsteinが21日に投資家向けのメモで伝えた内容を踏まえた仮想通貨市場参加者の最大の懸念は、仮にジェネシスが破綻した場合に姉妹会社グレースケールが「大惨事の場合の戦略的オプション」となり、売却される恐れが生じている点だ。

米グレースケール社は機関投資家および適格投資家向けの投資信託として最大手。現物ビットコインを蓄え続けており、執筆時点に63万BTC強(1.4兆円)を保有している。

しかし、Bernsteinは、仮にジェネシスが破産申請しても、(ジェネシスの)債権者はGBTC資産に対する請求権を持たないと主張。「ジェネシスの状況はGBTC に直接影響を与えるものではない」と加えた。

GBTCの所有者は構造的に保護されており、DCGまたはDCG関連組織の障害からは隔離される。

ジェネシスの親会社は、仮想通貨コングロマリットDigital Currency Group(DCG)。DCGの傘下には、ビットコイン投資信託を運用するグレースケールや米仮想通貨メディアCoindeskがある。

Bernsteinの見立てでは、グレースケールは年間約425億円(3億ドル)の手数料収益を生む、DCGの旗艦事業となっている。最悪のシナリオにおいても、DCGは「ジェネシスよりもグレースケールの維持を選ぶだろう」と加えている。

GBTCとは

Bernsteinはまた、ジェネシスと破産申請した投資会社Three arrows Capital(3AC)による、GBTCを使った資金調達スキームが、裁判所資料から明るみになっていることを引用。投資家の懸念を招き、GBTCの価値下落に影響したことを指摘した。

GBTCとは、機関投資家がグレースケールにBTCを渡すか、現金を渡してグレースケールがBTCを購入して初めて発行される。米国で登録された証券であるため、5%以上を所有する投資機関は情報を開示する義務がある。

3ACの資金調達スキームとは、3ACがジェネシスから借りたBTCでGBTCを発行し、GBTCを担保に米ドルを借り、それを繰り返すレバレッジ戦略である。

GBTCは証券口座から投資できる利点があるため、強気相場では原資産であるBTCより高い価格(プレミアム)で取引された。しかし、弱気相場では状況は一転しており、11月19日には一時最大-45%のネガティブプレミアム(マイナス乖離)を付けるに至った。

出典:Coinglass

GBTCからBTCへは直接償還できない仕組みとなっており、取引量が減少するとGBTCの換金可能性が悪化する。GBTCの評価額低下も組み合わさり、3ACはGBTC担保で借りた米ドルやジェネシスへのBTCローンを返済できないまま破産に至り、大量の不良債権が発生したと見られている。

22年夏には、3ACに対するジェネシスの約1,700億円(12億ドル)の負債の請求権について、DCGが引き受けていた。ジェネシスは3ACの最大の債権者の1社であった。

関連:融資大手ジェネシスに数百億円の損失か、仮想通貨業者の債務問題で

執筆時点の記録では、DCGはGBTCの最大の保有者となっている。ジェネシスの緊急流動性を確保するために、DCGがGBTC保有量から一部売却する懸念も一部で指摘されている。

プルーフ・オブ・リザーブ需要高まる

FTXの破綻により、独立した会計事務所によって監査された保有資産の残高確認「Proof of Reserves(プルーフ・オブ・リザーブ)」の需要が急速に高まっている。大手バイナンスを筆頭に仮想通貨取引所が顧客資産を管理するウォレットアドレスを公表しており、日本法人ではクラーケンジャパンが透明性へのコミットメントとして行なった。

63万BTCもの準備金に基づいて発行されるGBTCについても例外ではない。グレースケールはウォレットアドレスこそ公開しなかったが、22年11月18日時点に63.5万BTCをCoinbase Custodyで保有していることを示すレポートを公開。

「GBTCとすべてのグレイスケール製品の基礎資産は、(インターネットから隔離された)コールドウォレットに分離して保持され、安全性が維持されている」、と述べている。

関連:CZ氏「バイナンスは安全に運営されている」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/16 火曜日
19:12
Pudgy Penguins CEO、ミームコイン関連イベントでPENGUの日本戦略発表
暗号資産取引所MEXCのベンチャー部門であるMEXC Venturesは7日、「From Doge to Pengu: The Evolution of Memes」を開催した…
18:00
Superteam Japan代表が語るソラナエコシステムの日本展開戦略|独占インタビュー
ソラナエコシステムの日本展開を牽引するSuperteam Japanが、設立から1年3か月で世界トップクラスの実績を達成。コミュニティGDPで世界1位、ビジネスコンペ「Brea…
17:00
米SECアトキンス委員長、仮想通貨企業に訴訟前に「違反通知」を追加へ=報道
米SECアトキンス委員長が仮想通貨企業などへの執行措置前に警告段階を設ける方針を表明した。ゲンスラー前委員長の方針から転換し、トークンの多くは証券ではないとも改めて述べる。
15:20
Pudgy Penguins、日本で大型イベント開催|MEXC Venturesとの連携で世界展開を加速
人気NFTプロジェクトPudgy Penguins、東京でWebX2025イベント開催。MEXC Venturesと連携し、日本展開でグローバル戦略を加速。2027年IPO実現目指す。
14:50
MiCAの監督格差問題 仏・墺・伊が共同でEUの規制強化を要請
フランス、オーストリア、イタリアの規制当局がMiCA施行後の各国による監督格差を問題視し、EUの仮想通貨規制の強化を求める共同声明を発表した。EUパスポート制度の課題と3カ国の規制当局による4つの改善提案を解説する。
11:36
FOMC控え様子見基調の仮想通貨相場、デリバティブ市場は強気傾向
明日のFOMC会合を控え、市場の95.9%が25bp利下げを織り込む中、ビットコインは115,206ドルで小幅上昇。デリバティブ市場ではコール優勢の展開が続き、ETF流入も好調。利下げサイクル開始への期待が暗号資産(仮想通貨)市場の追い風となるか注目が集まる。
10:56
ロビンフッドが非上場企業投資ファンド「RVI」を計画 個人投資家の参加機会拡大へ
仮想通貨・株式取引のロビンフッドが米国で未上場企業への投資機会を個人投資家に提供するファンドの設立を計画している。SECに登録届出書を提出し、NYSE上場を目指している。
10:30
クレディセゾンのベンチャー部門、70億円超のWeb3ファンドをローンチ
クレディセゾンのベンチャー部門は、ブロックチェーンのスタートアップ対象のファンドOnigiri Capitalのローンチを発表した。トークン化RWAのソリューションを開発する企業に投資する。
10:12
コインベース支援のL2「Base」、独自トークンの発行検討を開始
仮想通貨取引所コインベース支援のL2「Base」は、ネットワークトークンの発行検討を開始。これまではガス代にイーサリアムを使用し、独自トークンの発行予定はないとしてきた。
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧