米SEC、証券法違反でFTXのサム前CEOを起訴

FTXの前CEOを起訴

米証券取引委員会(SEC)は13日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの前CEOサム・バンクマン=フリード(SBF)氏を起訴したことを発表した。

SBF容疑者は同社の破綻に関連し、米商品先物取引委員会(CFTC)など複数の組織から起訴されるとみられている。SECが起訴の理由として挙げたのは、FTXの投資家への詐欺と顧客資産流用の容疑だ。

FTXとは

SBF容疑者が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、今年11月に破産申請を行なっている。

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SECは「FTXは少なくとも2019年5月以降、株式投資家から2,430億円(18億ドル)超を資金調達した」と説明。そのうちのおよそ1,490億円(11億ドル)は米国を拠点にする約90の投資家が投資した分だと指摘している。

この資金調達の際、SBF容疑者は「FTXは安全で信頼できる仮想通貨取引プラットフォームだ」と紹介。そして「特に、顧客資産を守るために高度な自動リスク管理システムを導入している」と宣伝し、投資を呼びかけていたという。

SECは、これが投資家への詐欺行為にあたると主張。具体的に、以下の3つの内容を投資家に隠していたと指摘している。

  • FTXの顧客資産を、姉妹企業の投資会社アラメダリサーチで流用していた
  • FTXのプラットフォームでアラメダリサーチを特別待遇していた
  • アラメダリサーチがFTTトークンのような、過大評価されている非流動資産を保有していることからFTXにはリスクがあった

2つ目の特別待遇については、SECは以下の2つの具体例を記載。リスク抑制策には、ロスカットのルールが含まれているとみられる。

  • FTXの顧客資産を利用し、アラメダリサーチに事実上無制限の融資枠を提供していた
  • FTXの重要なリスク抑制策が、アラメダリサーチには適用されないようにしていた

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その他の問題

SECは他にも、SBF容疑者が顧客資産も使用して、以下の問題行為を行なっていたと指摘している。

  • 非公開で新興企業に投資
  • ぜいたくな不動産を購入
  • 政治家への多額献金

SECのゲリー・ゲンスラー委員長は今回の問題について、以下のようにコメントした。

SBF容疑者は、虚偽を基盤にして不安定な事業を行なっていたが、FTXは最も安全な取引所の1つであると説明していた。

今回の詐欺行為は、仮想通貨プラットフォームが我々の法律に従う必要があることを証明している。証券法を遵守しないプラットフォームには、措置を行う用意がある。

SECは、SBF容疑者は1933年証券法と1934証券法の詐欺に関するルールに違反したと主張。今後は、個人の口座を除いて、SBF容疑者が証券の発行や購入、販売に参加できないようにしていく意思を示し、違法に得た利益の返還も求めていくとした。

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