ダウ大幅安で仮想通貨弱含む、バイナンスのオンチェーンデータ検証は異常なし

マクロ経済と金融市場

15日の米NY株式市場では、ダウは前日比764ドル(2.2%)安と大幅安で取引を終えた。

FRB(米連邦準備制度)による来年末の政策金利の見通しのほか、欧州中央銀行(ECB)による金利引き上げも嫌気され、景気が冷え込むことへの警戒感が高まった。

ラガルド総裁は、インフレ抑制に向けた利上げ局面の長期化を示唆している。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.77%安の17,400ドルに。

BTC/USD日足

米株指数の急反落を受け、弱含んで推移する。FTX破綻の余波で市場に不確実性が広がっていることもあり、流動性の低さも上値を重くしている一因だ。

なお本日、香港取引所にビットコインとイーサリアムの先物ETF(投資信託)が上場する。

ロイターのレポートによると、ETFは米シカゴ・マーカンタイル取引所で取引される先物のパフォーマンスを反映するで、アジアでは初事例。

関連:香港初のビットコイン・イーサリアムETF 本日上場予定

バイナンスのデータ分析

データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは、現時点ではバイナンスのオンチェーンデータに“不審な兆候”は見られないとの見解を示した。

FTX破綻の影響で暗号資産(仮想通貨)取引所や融資企業への信用不安が広がる中、バイナンスが開示したプルーフ・オブ・リザーブ(PoR)について、一部専門家から疑義が生じていることを受けたものだ。この点についてCryptoQuantが検証した結果、少なくともオンチェーンデータ上では一致した。

CryptoQuant

ステーブルコインにおける準備金については、バイナンスとFTXを比較するとその差は明らかだ。

CryptoQuant

FTXの場合は債務超過不安による利用者のバンクラン(取り付け騒ぎ)が発生する数日前の時点ですでに93%も減少していた。FTXの姉妹会社アラメダ・リサーチは、リークされた財務情報の内、資産の大半を「FTTトークン」が占めたことが発覚して混乱を助長したが、BNBはバイナンスの取引所資産の10%強にすぎないとされる。

なお、バイナンスのBinance USD(BUSD)のシェアは過去数ヶ月で倍増し、ステーブルコイン市場でテザー(USDT)、USD Coin(USDC)に次ぐ第3位の15.5%のシェアを占めるまでに至っている。

今年9月に利用者の送金したステーブルコイン残高について、流動性集中で安定化を図る通貨ペア統合を目的としてBUSDへ自動転換し始めたことも影響した。

このような市場で流通するBUSDは、2012年に設立され、米ニューヨークに拠点を置くPaxosによって発行されている。

BUSDの出金依頼急増で一時停止を余儀なくされたことについて、CZ氏は「Paxos発行のステーブルコインのスワップチャネルは提携先の銀行を経由する必要があり、営業時間外にその処理能力を超えてしまった。」「今後はより流動的な対応確立に努める。他ステーブルコインによる出金は滞りなく行うことができていた。」などと弁明している。

バイナンスのビットコイン準備金については、CZ氏に対するマネロン違反の疑いがロイターに報じられ、資金流出が相次いだことにより過去2日間で8%ほど減少した。BTCの流入/流出量では、報道後の13日には57,300BTCもの流出が観測された。

一方、バイナンスのビットコイン準備金は先月は24%流入超過しており、影響は限定的との見方もある。大手取引所FTXの破綻騒動を受け、中小取引所から引き揚げた資金が最大手のバイナンスに集中したことが影響したものと見られる。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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