FTXサム前CEO、米国への身柄引き渡しに同意=報道

サム氏、米国への送還に同意

破綻したFTXのサム・バンクマン=フリード(SBF)前CEOは19日、詐欺容疑で米国に身柄を引き渡されることに同意した。ロイター通信などが報じた。

21日追記:ABCニュースによると、サム氏は米国への身柄引渡しの書類に署名した。今週水曜日の出廷で米国への出発日時が決まる可能性が高まったという。

サム氏は滞在先のバハマで12日、米国への身柄引渡しを前提として、バハマ警察に逮捕されていた。サム氏が、この先いつバハマから米国に出発するかは、現時点では明かされていない。

当初、サム氏の側は「身柄引き渡しに抵抗する権利を放棄しない」と申し立てていたが、この考えをくつがえした形である。

サム氏は19日に、バハマの首都ナッソーの裁判所に現れ、引き渡しに応じる決断を伝えた。同氏のバハマでの弁護人ジェロン・ロバーツ氏によると、サム氏は送還に同意する前に、先週ニューヨークの連邦裁判所でサム氏を被告として提出された起訴状の内容を見ることを希望していたと説明している。

ロバーツ氏は記者団に対して、サム氏が「強い法的な助言」をしりぞけて、自発的に身柄引き渡しに合意したと述べた。

サム氏は、米国の弁護士と電話で話す機会を与えられた後、ふたたび刑務所に拘留された。ロイター通信によると、サム氏は今週末に再び出廷する可能性があるが、具体的な日程はまだ決まっていない。

FTXとは

SBF容疑者が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、今年11月に破産申請を行なっている。

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米捜査当局などが起訴

米国の捜査当局は13日、サム氏を起訴していた。米司法省と連邦捜査局(FBI)が、詐欺、マネーロンダリング、不正な選挙資金提供の容疑などで訴えた形だ。

主な容疑は、FTXに預けられた数十億ドルの顧客資産を不正流用し、FTXおよびグループ企業アラメダリサーチの投資家らを欺いたという行為によるものとされている。また、献金制限などを回避するために、真の資金源ではなく、共謀者の名前で献金を報告させていたとも指摘された。

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また、同13日にはFTXについて米下院で初の公聴会が開催され、暫定CEOのジョン・J・レイIII氏が証言を行っている。

レイ氏は、FTXの企業構造に関して「独立した取締役会もなく、一人の人間が全てをコントロールしていた」「正式な経理部が存在せず、適切な財務記録がない」と、その運営体制の杜撰さを指摘。「顧客資金を自分の目的に使った、昔ながらの横領」だとも述べた。

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米証券取引委員会(SEC)も、投資家への詐欺と顧客資産流用の容疑でサム氏を訴えている。

SECは、サム氏がFTXの資金調達を行う際に、同取引所は「顧客資産を守るために高度な自動リスク管理システムを導入している」と宣伝していた一方で、グループ企業アラメダリサーチに関わる事実などを隠していたとした。

具体的には、「FTXのプラットフォームでアラメダリサーチを特別待遇していたこと」や、「FTXの顧客資産をアラメダリサーチで流用していたこと」を挙げている。さらに、FTTトークンのような、安全ではない非流動資産を保有しているリスクについても指摘した。

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