仮想通貨融資企業BlockFi、破産裁判所に一部顧客の出金許可を申請

顧客に仮想通貨を返金へ

先月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請した暗号資産(仮想通貨)貸借サービス企業BlockFiは19日、「BlockFi Wallet Account」を使用する顧客の出金を許可するよう米破産裁判所に申し立てを行った。

また、同様の申し立てをバミューダの裁判所にも提出し、米国以外の顧客の出金を許可するよう要請。今回の申請は、チャプターイレブンに準じて顧客資産を返金するための重要な一歩であるとBlockFiは説明している。

チャプターイレブンとは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

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出金の認可に関する話し合いは、米裁判所が来月9日、バミューダの裁判所が同13日に実施予定。さらに、その後にもヒアリングの機会を設け、最終的に認可が下りれば、対象の顧客は出金ができるようになる。

この申し立ては、利子付きサービスの口座「BlockFi Interest Accounts」は対象外。対象となるBlockFi Wallet Accountは、利子がつかない口座で、仮想通貨の保有や売買をするために利用されている。

BlockFiは、今回は最初のステップだとしており、全ての顧客や利害関係者の価値を最大化できるように今後も取り組んで、できるだけ早く新しい情報を共有できるようにしていくと説明した。

破産処理が進行

BlockFiの破産は、FTXの破綻が大きく影響しているが、同社はその前から経営に苦しんでいた。仮想通貨市場の低迷やマクロ経済の環境変化が事業を圧迫。その際に、FTXやFTXの関連企業から融資を受けていた。

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テラ騒動やFTXの破綻などが引き金となって破産申請した仮想通貨関連企業については、破産処理が進んでいる。

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19日には、7月にチャプターイレブンの適用を申請した仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalが、同社の資産の売却先に、バイナンスの米国部門「バイナンスUS」を選定したことを発表。バイナンスUSの落札価格は、10.2億ドル(約1,340億円)である。

VoyagerもBlockFiと同様に、資産売却の許可を得るために、来月5日に米裁判所でヒアリングを実施。Voyagerのユーザーが資産を出金できるよう手続きを進めていく。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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