仮想通貨の早期返金へ
7月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請した暗号資産(仮想通貨)投資プラットフォームVoyager Digitalは19日、同社の資産の売却先に、バイナンスの米国部門「バイナンスUS」を選定したことを発表した。
チャプターイレブンとは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
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これから債権者投票を行ったり、慣習的な取引完了条件を満たす必要はあるが、両社は今回の契約に合意。Voyagerは、できるだけ早く顧客資産を解放するための明確な道筋ができたと説明している。
Voyagerの資産については売却先を選ぶために入札が行われており、バイナンスUSの入札額が最も高かったという。Voyagerは、顧客や他の債権者に返済する価値を最大化するという目標のためにレビューを行い、バイナンスUSを売却先に選んだ。
バイナンスUSの落札価格は、10.2億ドル(約1,400億円)。内訳は、Voyagerの仮想通貨ポートフォリオの現在における市場価値が約10億ドル、そのほかに今後の増分価値として2,000万ドルが追加されている。
今回の売却は、チャプターイレブンに準じて行われており、これから債権者投票を行ったり、慣習的な取引完了条件を満たしたりするほか、23年1月5日には裁判所の認可を得るためにヒアリングを行う。
Voyagerの顧客資産の返済は現物で行われる予定。バイナンスUSのBrian Shroder最高経営責任者(CEO)は、同社が発表したブログの中で、以下のようにコメントした。
今回の入札は、「顧客を最優先する」という我々の理念を反映している。入札の目的は、顧客の仮想通貨をできるだけ早く返金することだ。
我々は、責務のない顧客を破産手続きから解放することを望む。売却の手続きが完了すれば、VoyagerのユーザーはバイナンスUSのプラットフォームで返済を受け取れるようになるだろう。
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また、Shroder氏は19日のツイートで、バイナンスUSは資産が負債を超えており、資金は十分にあると主張している。
7/ https://t.co/Wc26vM6jnW is well capitalized: our assets exceed our liabilities. All of our customers could withdraw their assets tomorrow, which is their right & we would still have hundreds of millions of current assets.
— Brian Shroder (@BrianShroder) December 19, 2022
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FTX USの落札
Voyagerの資産は以前、FTXの米国部門「FTX US」が落札していた。現在は、FTX USらFTXのグループ企業が破産申請を行っている。
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FTX USの落札は、9月に発表された。落札価格は14億2,200万ドル(当時のレートで約2,000億円)。内訳はVoyagerの仮想通貨ポートフォリオの当時における市場価値が13億1,100万ドル、増分価値が1億1,100万ドルだった。
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