CoinPostで今最も読まれています

3ACへの巨額融資の影響で連鎖破綻か、仮想通貨企業Voyagerが破産申請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Voyager Digitalが破産申請

暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームVoyager Digitalが5日、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づいた破産申請を行ったことが分かった。

チャプターイレブンは、日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

6日付けのBloomberg Law によると、同社の推定資産総額は10億ドルから1000億ドル。負債総額は推定10億ドル~100億ドルとされているが、執筆時点で詳細は確認できていない。

Voyager Digitalは6月末に、仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」に対して債務不履行通知を発行した背景がある。これまで15,250BTC分(430億円相当)と3.5億USDC分(474億円相当)をThree Arrowsに貸していた。

これに先駆け18日には、ヘッジファンド大手Alameda Researchから信用供与(クレジットファシリティ)枠を確保するなど、つなぎ融資を確保。「バランスシート上に260億円(2億ドル)以上の資金を保有している」と強調していたが、結果的に破綻は免れなかった。

関連:仮想通貨投資アプリVoyager、アラメダからつなぎ融資を確保

1日には、顧客資産の入出金、取引、リワード付与及びデビットカードの利用を一時停止することを発表していた。

Three Arrows capitalもまた1日に米国で破産申請を出したばかり。英領バージン諸島(BVI)で同社の清算作業が進行しているが、併せて米国債務者からの取り立てを停止する目的で米国破産法第15章(チャプター15)を適用させた。

関連:仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows、米国で破産申請

Voyager Digitalとは

2018年に設立されたVoyager Digitalは、モバイルアプリで100種類以上の仮想通貨で手数料ゼロのサービスを提供。また、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など39資産について、ロック期間のない有利子口座も提供する。

2年5月のプライベートラウンドで77億円(6,000万ドル)を調達。Alameda Researchが主導し、大手VCであるDigital Currency GroupやGalaxy Digitalも参加した。

親会社のVoyager Digital Ltd.は21年9月にトロント証券取引所に上場しており、当時Voyagerの顧客資産(AUM)が50億米ドル(約6,000億円)を超え、プラットフォーム上の本人確認済みユーザー数が200万人近いと報告していた。

なお、3月末にVoyager Digitalは有利子口座が未登録の有価証券販売にあたるという証券法違反の疑いをめぐって複数の米国州当局から新規口座開設サービスの停止命令を受けていた。

関連:「市場に漂う清算リスクの暗雲」、仮想通貨企業の債務問題・救済策まとめ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア