ビットコイン横ばい、コインベース株価の年初来下落率は-87%に
マクロ経済と金融市場
19日の米NY株式市場では、ダウは前日比92ドル(0.28%)高で取引を終えた。 5営業日ぶりの反発となったが上値は重い。
また、日銀が金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール政策における長期金利の許容変動幅を従来の±0.25%程度から±0.5%程度まで拡大する方針を打ち出した。
世界に逆行する形で2022年以降も堅持してきた大規模金融緩和の縮小および方針転換は事実上の“金融引き締め”追従と受け止められ、20日の東京外国為替市場では対ドルの円相場が急騰。国内景気減速の見方が広がり、株価は急落した。
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個別銘柄では、米最大手取引所を運営するコインベース株価が再び上場来最安値を更新した。マクロ経済の悪化やFTX破綻など逆風が吹く中、同社の時価総額は約80億ドルまで落ち込み、年初来では約87%の下落率に達した。
21年4月にナスダック株式上場を果たした際は、大規模金融緩和の流動性バブルでビットコインが過去最高値を大きく更新するなど強気相場の真っ只中にあり、コインベースの(完全希薄化後)時価評価額は約830億ドルに。
しかし、1年8ヶ月を経た現在は、地政学リスクを含め相場全体の地合いと外部環境が一変。1/10以下水準まで下がっている。
一方、投資ファンドARK Investment Managementの最高投資責任者のキャシー・ウッド氏は強気姿勢を崩していない。先週、コインベース株を297,000株買い増した。長期展望を見据え、計6,139,480株(2億4670万ドル相当)を保有するとされる。
国内でも暗号資産関連銘柄は軒並み厳しい。暗号資産交換事業を手掛けるコインチェックを擁するマネックスグループの株価も低迷する。年初時点で700円台だった株価は、一時400円台を割り込んだ。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.8%高の16,850ドル。
米株指数反発に伴い、若干持ち直した。
デリバティブ市場では、イーサリアム(ETH)の年率換算の先物プレミアムがしばらくマイナスに張り付いており、依然として警戒感が燻る中、弱気のセンチメント継続を示している。
データ分析企業CryptoQuantは16日、主要取引所のETH交換準備金が15%まで低下する中、来年3月に予定される上海(Shanghai)ハードフォーク(EIP-4895)後のロックアップ解除が強めの売り圧力になり得るとの見立てを示した。
フォーク後には、ビーコンチェーンからステーキング中のETHおよびバリデーターの引き出しが可能となる見込み。イーサリアム2.0の預入総額は総供給量の約12%に達している。
イーサリアム(ETH)は今年9月、大型アップグレード「The Merge(マージ)」の実装を完了し、コンセンサス(合意形成)アルゴリズムをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行を終えた。
今年10月には、上海に備えテストネット「Shandong (山東省)」がローンチされた。
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