CPI発表を受け金融相場反発、ビットコインは一時19000ドル台を回復
マクロ経済と金融市場
12日の米NY株式市場では、ダウは前日比216ドル(0.6%)高で取引を終えた。
日本時間12日22時半に米労働省が発表したCPI(米消費者物価指数)では、前年同月比6.5%上昇と市場予想通りに鈍化したことを受け、買い戻しが先行した。
コアCPIにおける指数は、ガソリン価格の下落が顕著な一方、住居費などサービス価格が高止まりするなど長短まちまちで、発表前に織り込んでいた市場期待を上回ったとは言い難い。
CPIは、米金融当局が重視するインフレーション(物価高)判断の物差しとなる主要指数。6ヶ月連続で伸びが鈍化しており、ピークアウト観測を裏付けたことで、次回米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRB(米連邦準備制度)の金利引き上げペースが0.5%から0.25%に縮小されるとの見立てが強まった。
なお、円高進行を受け、日経平均株価(前場)は下落した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.4%高の18,828ドルと続伸。
一時19,000ドル台を回復した。
デリバティブ市場では24時間で3.8億ドルのショートポジションのロスカット(強制清算)が発生した。9日を上回る水準だ。
Justin Bennett(@JustinBennettFX)氏は、ドル指数(DXY)について21年5月のトレンドラインをテストしていると言及。ドル弱体化の兆候は、投資家が株やビットコインなどリスク資産に資金を移動させていることを示しているとした。
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ビットコイン投資信託(GBTC)を発行・管理するグレースケールの親会社デジタルカレンシーグループ(DCG)が、債務返済の一環で保有資産の一部売却する可能性があることがわかった。Financial Timesが報じた。
同紙の報道によれば、暗号資産(仮想通貨)融資企業のジェネシスは、債権者に30億ドル超の債務を負っている。
公開されている保有資産ポートフォリオによると、米最大手取引所コインベースやシルバーゲートなどに出資。中には流動性の低い資産も多く含まれるとされ、売却に時間を要するとの指摘があるほか、グレースケールのビットコイントラスト(GBTC)など投資信託に波及するリスクも懸念される。
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DCG傘下のジェネシスグローバルキャピタルは、FTX破綻を受けて流動性危機に陥り、提携していた暗号資産取引所GeminiのEarnプログラムを停止するなど経営破綻の危機にある。
Geminiの共同設立者であるCameron Winklevoss氏は、DCGのBarry Silbert CEOを「支払い能力について虚偽の説明を行なった」などとして公開書籍で告発。取締役会に解任を求めている。
そんな中、米SEC(証券取引委員会)は12日、ジェネシスとGeminiに対し、Gemini Earnを通じて個人投資家に「未登録有価証券」を販売したとして提訴した。22年11月時点で、米国居住の投資家340,000人が対象になっていたとされる。
GMラヂオのアーカイブ公開
今回の特別ゲストは、Web3(分散型ウェブ)大手企業アニモカ・ブランズの会長を務めるYat Siu氏と、Darewise EntertainmentのBenjamine Charbit氏が参加。Web3ゲーム・NFTの今の課題やDarewiseの自社タイトル第一弾「Life Beyond(ライフ・ビヨンド)」、そして業界の展望について語っている。
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