コールドウォレット資産を活用 バイナンスが機関投資家向けの新機能ローンチ
機関投資家のセキュリティ向上へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのカストディ部門「Binance Custody(バイナンス・カストディ)」は16日、新たなソリューション「Binance Mirror」を正式にローンチしたことを発表した。
バイナンス・カストディは、機関投資家向けにカストディサービスを提供している。機関投資家はBinance Mirrorを利用することで、資産をコールドウォレットに保管したまま、ローンなどバイナンスの幅広いプロダクトの担保として使用することが可能。
機関投資家は、Binance Mirrorによって保有資産のセキュリティを高めたまま運用することができる。
コールドウォレットとは
インターネットと完全に切り離されたウォレットのこと。ペーパーウォレットやハードウェアウォレットといった種類がある。
インターネットと切り離されているためハッキングなどには強いが、電子上でやりとりする仮想通貨を頻繁に利用するユーザーにとっては利便性が低いというデメリットがある。
▶️仮想通貨用語集
Binance Mirrorは、バイナンス・カストディのコールドストレージソリューション「Qualified Wallet」を活用。機関投資家はQualified Walletにある資産をロックし、Binance Mirrorを利用して1:1の割合でバイナンスの取引所に反映(=mirror)させて担保として使用する仕組みだ。
正式なローンチの前にBinance Mirrorはすでに一部で使用を開始しており、2022年4Q(10月から12月)には需要が大きく増加。この期間に、バイナンス・カストディからバイナンスに反映させた資産は67%増えたという。
Binance Mirrorの資産は、バイナンス・カストディで保管されている全資産の60%超を占めている。バイナンス・カストディは今回の発表で、需要の増加は、取引所外部のソリューションに対する機関投資家の信頼が高まっていることを示していると主張した。
バイナンス・カストディの幹部Athena Yu氏は、以下のようにコメントしている。
バイナンスの流動性にアクセスしたい機関投資家にとっても、セキュリティは最優先事項の1つ。我々は、コールドストレージにある資産の流動性を解放するため、運用の改善に昨年の大半を費やしてきた。
これからBinance Mirrorの質を向上させるため、新しい機能を追加していくことを楽しみにしている。
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バイナンス・カストディとは
バイナンス・カストディは、規制に準拠したカストディサービスを提供するため2021年12月に事業を開始。情報セキュリティに関する国際規格(ISO27001)や、プライバシー保護の国際規格(ISO27701)などに認証されたソリューションを提供している。
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昨年3月には、保有する資産に「Cold Storage Insurance」という保険を適用することを発表。費用対効果の高い保険によって、機関投資家保護の強化を図るとした。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します