規制圧力強まる仮想通貨市場、ビットコインは直近高値圏に滞在
マクロ経済と金融市場
27日の米NY株式市場では、ダウは前日比72.17ドル(0.22%)高、ナスダックは72.03ドル(0.63%)高で取引を終えた。
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インフレ高止まりに対する市場の懸念は一段と強まっている。24日に発表された先月の個人消費支出(PCE)価格指数は4.7%を記録し、市場予想の4.3%を大幅に上回った。
2月以降は、米雇用統計やCPI(米消費者物価指数)の数値が軒並み市場予想を超えており、次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5bpsの利上げも織り込まれつつある。
昨今では米政策金利が6.5%まで引き上げられるとの見方もあり、早期の米利上げ休止観測が後退したため、株やビットコインは下落圧力に直面している。
資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、暗号資産(仮想通貨)投資信託などのデジタル資産に対する機関投資家の資金フローは、3週連続で計1200万ドルの流出となった。
主な流入先もインバース型(ショート)商品であり、直近の強いマクロ経済データの発表を受け、投資家のセンチメントが毀損していることを示している。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.46%安の23,498ドルに。
レジスタンスライン(上値抵抗線)の23,800ドルは売り圧力が強まりやすい。
イーサリアム(ETH)は0.7%安の1632ドルとなった。ブロックチェーン分析プラットフォームのSantimentのデータによれば、イーサリアム損切り行動が顕在化しつつある。
MVRVレシオはプラスのままであり、ロング・ショート比率も縮小傾向にあることから、損切りしているのは主に短期保有者とみられる。MVRV比率は、ビットコインの時価総額を実現資本(Realized Cap)で割って計算されるもので、強気相場の天井圏と弱気相場の底値圏を示す指標の1つ。
昨今では、昨年11月に発生した大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻の影響を受け、米国を中心に規制当局の風当たりが強まっている。
インドを議長国としたG20では、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ理事が金融安定リスクを念頭に「仮想通貨の取引を禁止する選択肢を排除すべきではない」と言及。ジャネット・イエレン米財務長官も「仮想通貨には強力な規制の枠組みが必要」と主張した。一方で、「全面的な禁止を提案するものではない」と含みは残した。
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米SEC(証券取引委員会)のゲンスラー委員長は、New York Magazineのインタビューで、ビットコイン以外全ての暗号資産は有価証券に該当する可能性があり、SECの管轄下にあると主張したが、暗号資産に詳しい弁護士からは「法的根拠に欠ける側面もある。最終的な法の解釈は裁判官に委ねられる」との指摘もある。
米コインベースは28日、内部監視およびレビュープロセスに基づき、米ドルに価値を連動するステーブルコイン「Binance USD(BUSD)」の取り扱い停止を発表した。
BUSDを巡っては米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が13日、発行企業の米Paxosに対して新規発行停止を命じており、米SECも投資家保護法に違反した疑いがあるとして警告書(ウェルズ通知)を発行した。
これを受けバイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOも「(新規発行停止により)BUSDの時価総額は逓減する」との見方を示し、基軸通貨ペアからの除外に言及した背景がある。Paxosについては「BUSDの発行および償還は保証されている。複数の監査法人に監査され、銀行の準備金に保護されている資産は安全だ」として、利用者の不安払拭にも努めた。
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今月9日には、老舗の暗号資産取引所クラーケンが米SECから証券法違反で提訴され、米顧客向けのステーキングサービスを停止している。
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