イーサリアム、Sepoliaテストネットで上海アップグレードの実装を完了

上海アップグレードへ前進

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)は2月28日、Sepoliaテストネットで、次期アップグレード「Shanghai/Capella(以下、上海)」を実施した。

一部のバリデータがオフラインになる問題などが報告されたが、ブロックがファイナライズされたことも確認。上海はこの後、パブリックテストネット「Goerli」での実施を経て、その次は本番環境であるイーサリアムのメインネットで行う計画だ。

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メインネットの実施時期は公式ウェブサイトには現在も2023年6月までと記載。過去には実施目標は3月と定められたが、今は4月になるとの見方も出ている。

今回のSepoliaのアップグレードは、「56832」のエポックで実施すると先月にイーサリアム財団が発表。「Shanghai/Capella」は2つの単語を合わせて「Shapella」とも呼ばれている。

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上海では、ステーキングされているイーサリアムの出金機能が実装されるため、投資家からの注目度が高い。現在イーサリアムはステーキングはできるが、出金はできない。

ステーキングとは

所定の期間、一定量の仮想通貨を預け入れることで報酬が得られる仕組み。ブロックチェーンの運営に貢献することで、対価として報酬を得ることができる。

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イーサリアムの公式ウェブサイトによると、本記事執筆時点でステーキングされているイーサリアムの数量は約1,692万ETH(3.7兆円相当)。市場ではこのイーサリアムが売り圧につながるといった見方もあるため、バイナンスやコインベースらの企業が分析を行っている。

一方で、出金機能の実装は今後のステーキング需要を喚起するとポジティブに捉える見方もあり、上海については以下の記事にまとめた。Goerliでの上海の実施時期は3月との見方が多いが、イーサリアム財団は改めて日程を発表するとしている。

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上海後のアップグレード

イーサリアムは昨年の大型アップグレード「The Merge(マージ)」で、コンセンサスの仕組みをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ変更。最近は、時期が迫っていることや、ステーキングの出金機能が実装されることなどから、次のアップグレードである上海に注目が集まっているが、イーサリアムは今後も様々な機能の実装が予定されている。

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は昨年7月、PoSへ移行が完了しても、イーサリアムの完成度は55%だと語った。

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昨年12月には、イーサリアムのプロトコルサポートを行うTim Beiko氏が、上海の次のアップグレードとして「Cancun」を紹介。Cancunでは、イーサリアム改善提案「EIP-4844」の実装を行う予定だという。

EIP-4844は、「Proto-Danksharding」という機能を実装する提案。この機能が実装されれば、L2の手数料を最大100倍安価にすることが可能になるとの見方があり、こちらも注目度が高い。

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