NEAR、今後はブロックチェーンの共通基盤として稼働へ
ブロックチェーンエコシステムの拡大へ
ブロックチェーンプロジェクト「NEARプロトコル(NEAR)」は2日、今後はブロックチェーンのオペレーティングシステム(BOS:Blockchain Operating System)として稼働していくと発表した。
NEARは単独のL1ブロックチェーンとして開発されてきたが、今後は各ブロックチェーンの共通基盤として機能すると説明。Web3だけでなく、Web2サービスとも互換性を持つという。
Web3とは
「次世代のインターネット」とも呼ばれ、ブロックチェーンを基盤とする非中央集権型のネットワークを指す。具体的にはNFT(非代替性トークン)や暗号資産(仮想通貨)などを含む。
情報の流れが一方通行だった初期のインターネットは「Web1」、現状の中央集権体制のインターネットは「Web2」と呼ぶ。
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開発当初からNEARのミッションは「10億ユーザーにオープンなインターネットを提供すること」である。今回の発表では、このミッションを遂行するための最初のステップとして、これまではL1ブロックチェーンの開発に注力してきたと説明。そして、L1ブロックチェーンの開発と並行して、開発者向けのツールも作ってきたと述べている。
BOSとは
BOSとしてのNEARは、ユーザーや開発者にとって、Web2やWeb3の入口のような役割を果たす。以下は、今回の発表に掲載されているイメージ図。NEARを起点としてビットコイン(BTC)決済の利用や、イーサリアム(ETH)上のDeFi(分散型金融)へのアクセスなどを行えることが示されている。
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NEARを介すことで、例えばユーザーは、複数のブロックチェーンをまたいだサービスを使っていたとしても、同じ1つのプラットフォームを使っているようなシームレスな感覚を体験することが可能。サービスごとにアカウントを作成する必要もなくなるという。NEARは単純なブロックチェーンではなく、各ブロックチェーンの共通基盤として、以下の内容を実現するとした。
- ブロックチェーンの利用を簡易化
- 検索機能の利用
- オンチェーンの交流やチャット
- 開発ツールの利用
- アプリの完全な構成可能性
2日にNEARは、BOSの第一段階として「Alpha.near.org」という発見ツールを公開。現在はアルファ版だが、ニュースやコミュニティの投稿、構成可能なアプリが見られるようになっている。
なお、海外メディアによれば、今回の発表は「ETHDenver」のイベントでも行われた模様。NEARの共同創設者のIllia Polosukhin氏にインタビューした「CoinDesk」によれば、BOSは現在、NEARとイーサリアムの仮想マシン(EVM)に対応している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します