米株指数につられ仮想通貨軟調、ビットコインは一時28000ドル割り込む

マクロ経済と金融市場

20日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比110ドル(0.33%)安、ナスダック指数は97ポイント(0.8%)安と3日続落で取引を終えた。

テスラの減益予想など大手企業決算が振るわず持高調整売りが出たほか、4月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が市場予想を超えて悪化する中、インフレ抑制のための金融引き締めを優先する米連銀総裁の言及も相次ぎ、リセッション(景気後退)懸念が強まった。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比2.02%安の28,300ドルと続落した。

BTC/USD日足

27,300ドルを割り込むと一段安となる恐れもあるが、現時点では調整の範疇にとどまる。下値目処としては25,300ドルのサポートライン(下値支持線)が意識されやすい。

The Blockのデータによると、昨日はデリバティブ市場で今年最大となる2億5,300万ドルのロングポジションがロスカット(強制清算)され、バイナンスとOKXが大半を占めた。

Theblock

ショートポジションの増加に伴い、先物市場では無期限先物のFunding Rate(資金調達率)がマイナスに転じている。

20日には、2013年12月以降約9年間休眠状態だった6,071BTC保有のクジラ(大口投資家)が目を覚まし、2,071BTC(約10億円相当)を送金したことが判明した。

資金移動先が暗号資産(仮想通貨)取引所だった場合は潜在的な売り圧力を示唆するが、必ずしも売却されるとは限らない。

アルトコイン相場

Nansenのデータによれば、イーサリアムの大型アップグレード「上海(Shapella)」後の数日間でステーキングされた預金額が引き出し額を上回った。

過去24時間では引き出し約27,000ETHに対して、入金は約95,000ETHに達した。より高い利回りを求め、これまでの数年間で蓄積していたステーキング報酬を引き出し、報酬分を追加でステーキングしているものと見られる。

CoinSharsによれば、撤退したバリデータをエンティティ別に見ると約8割がクラーケンだった。クラーケンは米SEC(証券取引委員会)に提訴されたことで、米顧客向けのステーキングサービスを停止せざるを得ない状況に追い込まれた。

利用者の大半はステーキング解除後に、DeFi(分散型金融)プロトコルなど別のステーキングプラットフォームへと移行しており、ステーキング継続に対する需要が伺える。

LidoやRocket Pool、Frax Etherといったリキッドステーキングプロトコルががその一端であり、預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は1週間で1〜2割ずつ増加した。

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CoinSharsは「引き続き“撤退キュー値”の推移を注視するが、最も重要なのは撤退するバリデーター比率が今後加速するかどうか」との見立てを示している。

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ネガティブな材料としては、米SEC(証券取引委員会)やCFTC(米商品先物取引委員会)による暗号資産取引所への規制圧力がある。直近では、Bittrexおよび共同創業者のウィリアム・シハラ氏を「証券法違反」で起訴。訴状において、複数のアルトコインが証券性を指摘されたことが分かった。

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そのほか、メタマスクなどデジタルウォレットから原因不明の不正流出が相次いでいるとの情報が拡散されたことも投資家心理を悪化させた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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