CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ウォレットで原因不明の資産流出か、被害総額は推定13億円(5,000ETH)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム大口投資家が標的に

長年の暗号資産(仮想通貨)投資経験を持ち、大量のイーサリアム(ETH)を保有しているユーザーのウォレットが、ハッキングによる不正流出被害のターゲットとなっているようだ。

ウォレットソフトウェアMyCryptoの創設者Taylor Monahan氏は18日、2022年12月以降に大口ウォレットから総額5,000 ETH以上(約13億円)が不正流出したとツイートした。

被害は11種類以上のチェーンにまたがり、ETHだけでなく、複数のトークンやNFT(非代替性トークン)も盗まれている。被害を受けたウォレットは2014年~2022年の間に作成されたもので、その中にはTay氏の友人やイーサリアムプロジェクトの初期から貢献してきたOG(オリジナル・ギャングスター)のウォレットも含まれているという。

攻撃方法は不明だが、一般的な手口であるフィッシングサイトなどを利用した記録は、ブロックチェーン上の履歴からは検出されていない。Tay氏は、この問題を解決するために情報共有が重要だと強調している。

Tay氏はまた、この攻撃者がMetamaskを利用して資産を盗んでいると述べている。しかし、ターゲットはMetamaskに限らず、他のウォレットも影響を受けていると強調した。

ハードウェアウォレットやイーサリアムのプレセールウォレットも被害を受けたという。Tay氏は一つのウォレットアドレスにすべての資産を保持しないよう注意を呼びかけている。

イーサリアムのプレセールウォレットとは

イーサリアムのローンチ前(2014年夏のプレセール時点)に生成されたウォレット。ETHのプレセールウォレットには、一部の人がETHの秘密鍵を紛失したり、参加したことを忘れたりしたため、現在でも数十ETH~1万ETH以上が眠っている。回収方法については度々議論が持ち上がっている。

▶️仮想通貨用語集

関連:米当局ら、ビットコイン62億円相当を押収 仮想通貨ミキサー「ChipMixer」を閉鎖 

攻撃手段の共通点

手口の共通点として、攻撃者は被害者のウォレット内でトークンをETHに交換し、その後ETHを送信する傾向が見られる。最終的に盗まれた資産はビットコインに交換され、取引データを複数混ぜ合わせる「ミキサー」に送って痕跡を隠している。

また、攻撃者は被害者のウォレットに何らかの方法でアクセスし、他の被害者のウォレットを経由してETHを送り継ぐことで、自分の痕跡を消そうとする傾向が見られる。被害者のウォレットはENS(Ethereum Name Service)名が設定されている場合が多く、取引履歴上ではランダムなENSからガス料として微量のETHが送られ、その後、資産が盗まれたように見える。

ウォレットセキュリティサービス等を提供するEverlastingは、資産の安全性を向上させるために、「Safe」と呼ばれるマルチシグネチャウォレットの使用を推奨している。Web3プロジェクトGnosisが開発したSafeは、複数の秘密鍵が必要であり、単一の暗号鍵が漏洩しても資産が盗まれることはないとされている。

Everlastingはまた、一般論として過去にどのようなウォレットやシステムで秘密鍵を使ったかで、ユーザーのリスクが決定すると述べた。同じ秘密鍵を複数のウォレットや端末で使うことで、セキュリティが脆弱になり、リスクが高まる可能性があると指摘している。

関連:SushiSwap、ハッキング被害の対応・対策など最新状況を報告

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧