仮想通貨イーサリアムの「有価証券非該当」米SECによって撤回される可能性が浮上
- SEC職員の声明に法的拘束力はない
- SEC職員の出した声明は、彼らの個人的見解を表したものであり、 それ自体に強制力は発生しないとSEC委員長のClayton氏が示した。
- etherは有価証券として扱われるか
- 先日、SEC当局責任者が「etherは有価証券として規制されない」と発言したが、オフィシャルな見方として扱うべきでなく、撤回される可能性もある。
SECはetherを有価証券として規制するか
アメリカ証券取引委員会(以下SEC)のJay Clayton委員長(以下Clayton氏)の出した声明が、 仮想通貨コミュニティに波紋を広げています。
先日、イーサリアムプラットフォームの仮想通貨であるイーサリアムは、有価証券に該当しないという SEC当局責任者のコメントがありましたが、SECはイーサリアムに対する姿勢を変えてくる可能性が浮上しました。
SEC職員の声明に法的拘束力はない
SEC委員長のClayton氏は、この度、SECのウェブサイトを通じ、 職員の出した声明は、彼らの個人的見解を表したものであり、 それ自体に法的な拘束力はなく、強制力や義務の発生するものではないと示しました。
各業界のステークホルダーに対し、 特定の事例に対して、どのように、またどの様な規制が適用されるかといったアドバイスを行うことがSEC職員には許されていますが、 それ自体に強制力があるわけではないということを主張しています。
「委員会の長らく取ってきた立場として、職員の声明全てに拘束力はなく、 委員会や他の機関に法的強制力や義務の発生するものではない」
更にClayton氏は、SECの各責任者に対し、以下の様な声明を出しています。
「コーポレート・ファイナンンス部門、インベストメント・マネジメント部門、トレーディング&マーケッツ部門も含む各部署は、 市場や他の発展を考慮し、これまでの職員による声明や書面に修正や取り下げ、補足などを行う必要がないか引き続き確認を行う」
この様に、これまでの職員による声明を再確認、必要に応じて修正や取り下げを行うよう指示したとしています。
この声明を受け、SECのインベストメント・マネジメント部門が、議決権行使助言会社に宛てた過去の職員声明を 正式文書を通じて取り下げるなど、具体的な動きが確認されています。
仮想通貨業界ではイーサリアムの扱いが焦点に
今回、仮想通貨業界で焦点となるのは、 SECのコーポレート・ファイナンンス部門ディレクターであるWilliam Hinman氏(以下Hinman氏)による イーサリアムに対する過去発言が今後どのように扱われるのかということです。
Hinman氏は今年6月、「Yahoo Finance All Markets Summit」にて、 イーサリアムは有価証券としての性質を持ち合わせていないとの以下の様な発言を行いました。
「現状、(有価証券として)規制すべきものとは見ていない」
ここで重要なのは、この発言もただのスピーチであって、 SECの設定したルールや規制として扱われるものではないということです。
Hinman氏の発言は、SECコーポレート・ファイナンンス部門ディレクターである彼個人の見解も反映されており、 それがSEC当局のオフィシャルな見方とは限りません。撤回される可能性もあるのです。
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