
15%をビットコインと金に配分推奨
世界最大級ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創設者レイ・ダリオ氏が29日、CNBCのポッドキャストでポートフォリオの15%をビットコイン(BTC)と金に配分するよう推奨した。最適なリスク・リターン比を求める投資家への助言として提示した。
ダリオ氏は金をビットコインより強く支持する立場を表明し、「金とビットコインを少し保有しているが、それほど多くない」と述べた。中央銀行がビットコインを準備通貨として採用する可能性は低いとの見方も示している。
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一方、米国政府の深刻な財政状況への懸念が推奨背景にある。政府は収入の40%超を支出し、年間1兆ドルの利払いが財政赤字の半分を占める状況が続いている。来年は債務返済のため約12兆ドルの国債追加発行が必要と警告した。
「通貨価值の切り下げが問題」とダリオ氏は指摘し、米国を含む西側諸国すべてが「債務破綻の悪循環」に陥っていると分析。1970年代や1930年代同様、西側経済は同時に下落する傾向にあると予測している。
また、債券・株式市場に対するマクロ経済リスクが適切に価格反映されていないとの認識を示し、量的緩和の大規模実施や政府による連邦準備制度支配が市場暴落の引き金となる可能性があり、そうした兆候が「点滅し始めている」と警告している。
5月には米国が主要3大格付け機関すべてで最上位格付けを失った際、ダリオ氏は格付けが「実際の信用リスクを過小評価している」と指摘し、通貨増刷によるインフレが歴史的により大きなリスクとの見解を示した。
同氏は金とビットコインは危機時の「効果的な分散投資手段」として機能すると評価したが、ビットコインについては取引のプライバシー問題やコードの長期安定性に懸念も表明した。
両資産とも今年史上最高値を更新している状況だ。
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