国税庁、仮想通貨法人税のルールの一部改正を正式発表
仮想通貨事業の環境改善へ
日本の国税庁は20日、法人税に関するルールの一部改正について、法令解釈通達を出した。
その中で、企業が自社で発行した暗号資産(仮想通貨)については、条件を満たせば時価評価の対象から除外すると説明。仮想通貨関連企業が日本で事業を行いやすくするための課題はまだ残されているが、事業環境の改善に向けて一歩前進したことになる。
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自社発行の仮想通貨を時価評価の対象から除外することについては、以前から改正に向けた動きが進んでいることは確認されていた。この改正については、令和5年度の「与党税制改正大綱」にも盛り込まれている。今回の国税庁の通達によって、除外されることが正式に決定した。
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これまでの法律では、企業が仮想通貨を保有している場合、期末時に含み益に課税される。このルールが企業の負担になり、仮想通貨やブロックチェーンのイノベーションを阻害していると長期に渡って指摘されてきた。この日本の法律によって、海外で事業を行うことを選んだ企業もある。今回の改正で、自社発行の仮想通貨については、正式にルールが緩和されることになった。
時価評価の対象から外れるための条件は大きく分けて2つ。1つ目は「自社が発行した仮想通貨で、発行時から継続して保有しているものであること」。2つ目は「その仮想通貨の発行時から、継続して次のいずれかにより譲渡制限が付されているものであること」だ。
- 他の者に移転することができないようにする技術的措置として、一定の措置がとられていること
- 一定の要件を満たす信託の信託財産としていること
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今後の動き
今回の国税庁の通達には、仮想通貨関連事業を行う人々や日本のコミュニティから喜びの声が多く上がっている。このルールの改正を積極的に訴えてきた、アスターネットワーク(ASTR)のファウンダー渡辺創太氏は、以下のようにコメントした。
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渡辺氏も指摘している通り、今回のルール改正は「自社発行」の仮想通貨のみが対象。法人税については「他社発行」の仮想通貨に課題が残る。
web3プロジェクトチームの座長などを務める自民党の平将明議員は、この点を含め、以下のようにコメントした。
なお、web3プロジェクトチームが提言しているのは法人税に関する法改正だけではない。仮想通貨取引に係る損益を申告分離課税の対象にすることなども提言している。
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Web3とは
「次世代のインターネット」とも呼ばれ、ブロックチェーンを基盤とする非中央集権型のネットワークを指す。具体的にはNFT(非代替性トークン)や仮想通貨などを含む。
情報の流れが一方通行だった初期のインターネットは「Web1」、現状の中央集権体制のインターネットは「Web2」と呼ぶ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します