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自民党web3PT、仮想通貨取引の税制などに関する提言を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

web3のマス・アダプションの時代へ

自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(PT)は6日、とりまとめが完了した「web3ホワイトペーパー(案)」を公開した。

多くの専門家や有識者らからのヒアリングなどにもとづいて今回のホワイトペーパーを作成。解決に向けて即座に取り組むべき論点と、web3の今後の普及に向けて今から議論を開始・深化すべき論点を提示した。ほかにも別紙として、NFTホワイトペーパー提言の進捗モニタリングについても記載している。

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web3PTはホワイトペーパーの冒頭で「かつてこの国はweb3の中心になりかけていた」と指摘。「2010年代半ばまでは世界のクリプト業界を牽引していた日本が、いつしかweb3の事業環境は諸外国に大きく劣後していると評価されるようになっていた。日本を離れざるを得なかった起業家や投資家も少なくない」と課題を提示している。

そして、今後は、新しい技術や流行に敏感な「アーリー・アダプター」だけでなく誰もが当たり前にウォレットやデジタル資産を保有してやり取りする「マス・アダプション(大衆受容)」の時代に備えていくべきだとした。

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政策への提言

ホワイトペーパーでは上述した構成にもとづき、「テーマ」「問題の所在」「提言」を記載している。

即座に対処すべき論点

まず、「web3の推進に向けてただちに対処すべき論点」では、以下のテーマにもとづいて提言を行った。

  • 国際的なルール策定
  • 税制改正
  • 監査機会の確保
  • DAO(自立分散型組織)
  • 各種トークンの審査・発行・流通
  • 消費者保護
  • 金融機関のweb3参入
  • NFTビジネス
  • 投資ビークル・スキームの多様化

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日本の暗号資産(仮想通貨)投資家から特に注目度が高い税制改正については、取引について以下の点を「検討されるべき」と改めて提言した。

  • 取引に係る損益を申告分離課税の対象とすること
  • 仮想通貨に係る損失の所得金額からの繰越控除(翌年以降3年間)を認めること
  • デリバティブ取引も同様に申告分離課税の対象にすること
  • 取引に関する損益は、仮想通貨同士を交換したタイミングでは課税せず、法定通貨に交換した時点でまとめて課税対象とすること

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また、法人が保有するトークンについて、令和5年度税制改正案が作成された後、他社発行のトークンの保有に関する課税課題が残っていることも指摘。以下の提言は「検討されるべき」ではなく、「今年確実に実現すべき」だと提言した。

保有する他社のトークンの期末時価評価課税から短期売買目的でないものを除外し、取得原価で評価するべき。具体的な除外方法はいくつかの選択肢がある。

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議論を開始・深化すべき論点

次に、「web3の発展を見据えて議論を開始・深化すべき論点」では、以下のテーマを取り上げた。

  • デジタル資産の私法上の取り扱い
  • web3コンテンツの海外展開支援
  • web3事業ライセンス
  • 安心安全な利用環境
  • アンホステッド・ウォレット
  • 自治体支援
  • ML/FT対策
  • 投資DAO
  • メタバース

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アンホステッド・ウォレットとは

取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型」や「自己管理型」などと呼ばれることもある。

▶️仮想通貨用語集

アンホステッド・ウォレットについては、金融サービスや行政サービスでの本人性確認と、マネーロンダリング対策(AML)・テロ資金供与対策(CFT)の要請との両立が課題と指摘。

そして、「利活用の可能性からそれに伴う課題に至るまで、官民の幅広い分野に与える影響を含め、必要な研究と論点整理のための議論を開始すべき」と提言している。

web3PTは今後、web3の事業環境が確実に整備されるように、NFTホワイトペーパーと今回の提言をあわせてモニタリングしていくとした。

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