スポーツ産業のNFT活用促進へ
自民党デジタル社会推進本部web3PTが、スポーツ産業のNFT(非代替性トークン)活用について、提言をまとめていることが6日に明らかになった。
海外で人気が拡大するファンタジースポーツをはじめとするスポーツ産業のNFT活用について、日本の賭博罪に抵触しないよう規制環境の明確化を図ると共に、企業の参入を促すねらい。
自民党のweb3(分散型ウェブ)プロジェクトチームは、近日公開予定のweb3政策のホワイトペーパーに盛り込む予定だ。また、NFTを活用したコンテンツ産業の業界団体の設立を支援し、官民連携でガイドライン策定に取り組むよう求めている。
ファンタジースポーツは、プロスポーツ選手のデータを使って独自のチームを作成し、現実の選手の成績に基づいて他のプレイヤーと競い合うオンラインゲーム。賞金が提供される大会やリーグも存在し、プレイヤーが参加費を払って大会に参加することもある。
アメリカではファンタジースポーツは運ではなく「スキルゲーム」とされ、各州で規制環境が整備されてきた。メジャーリーグやNFLといったスポーツリーグは、ファンタジースポーツをファン獲得および拡大の手段として捉え、4大メジャースポーツリーグが関連企業への出資やパートナーシップ契約を結んでいる。
一方、日本では参加費から賞金を提供することは賭博罪とされ、スポンサーから賞金や賞品を提供する形が推奨されてきた。また、日本のスポーツ団体がライセンスを海外の事業者に提供した場合、そのライセンスが賭博行為に利用されていることが明らかになっていた場合には、賭博罪のほう助に該当する可能性がある。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーン上で管理・取引を行うことで、デジタルコンテンツの作成者、保有者、取引履歴などの情報が保存される。固有のIDが付与されることにより、唯一無二のものであることが証明される。
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NFTとファンタジースポーツ
NFTはファンタジースポーツと相性が良いとみなされてきた。ブロックチェーンプラットフォーム上で確認・取引が可能なユニークなデジタル資産として、スポーツ選手のデジタルカードやコレクターズアイテムを作成し、さまざまなマーケットプレイスで売買や交換が可能だ。
NFTを取り入れたファンタジースポーツの代表例として、Sorare(サッカークラブの公式ライセンスを持つデジタルカード発行・取引プラットフォーム)、NBA Top Shot(NBAの公式ライセンス)、およびUltimate NFT(NFLの公式ライセンス)が挙げられる。Sorareの公式サイトによれば、60万人以上の登録ユーザーと15万人以上の月間アクティブトレーダーを抱えている。
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自民党デジタル社会推進本部のWeb3プロジェクトチーム(旧NFT政策 検討PT)は、22年3月に発表した提言書「NFTホワイトペーパー」を発行していた。
第2弾となるweb3政策の提言書では、スポーツ分野でのNFT活用に関する提言のほか、暗号資産(仮想通貨)を発行するスタートアップへの投資を可能にする提言も含まれる。これまで、LPS(リミテッド・パートナーシップ・スキーム)を通じた投資に制限があり、仮想通貨関連スタートアップの海外流出が懸念されてきた。
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