パラオ共和国、XRPL基盤のステーブルコインを試験配布 大統領府とリップル社が正式発表へ
XRPレジャー活用のステーブルコイン
パラオ共和国は、XRPレジャー(XRPL)を基盤にして、ステーブルコインの試験配布を開始した。
通貨の名称は「Palau Stablecoin(PSC)」。同国財務省のJay Hunter Anson氏は、3週間にわたって配布を行うと26日にコメントしている。また、27日には大統領府と米リップル社が連名で、プレスリリースを発表するとも説明した。
リップル社は、パラオ共和国とのパートナーシップを2021年11月に発表。その時に、ステーブルコインの導入を目指していることも公表している。
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パラオ共和国は法定通貨として米ドルを使用。PSCは米ドルに連動するステーブルコインで、政府のFAQには「デジタルウォレットは必要になるが、法定通貨と同じように使用できる」と記載している。
現時点ではテストが終了した後に実際にPSCを導入するかは未定。Anson氏は「CoinDesk」に対し、テスト後は大統領と議会にレポートを提出し、次に何をすれば良いかは政府が決定すると説明したという。
リップル社の戦略・運営担当副社長である吉川絵美氏は、今回の試験配布について、以下のようにコメントした。
PSCのメリットとデメリット
Anson氏が公表している情報によれば、PSCは同国の財務省が発行・管理を担当。パラオ共和国は、PSCが支払いを変革する可能性があると期待している。そして、PSCのメリットには以下を挙げた。
- 無料で決済できる
- 安全で透明性の高いブロックチェーン技術を活用している
- 他の暗号資産(仮想通貨)よりも広く使用ができる
- 支払いコストを下げたり、金融包摂を促進できたりする可能性がある
一方、現時点でのデメリットに以下の項目を挙げた。
- まだ実験段階である
- 限定された小売店でしか使えない
- 米ドルとの関係で価値が変動する可能性がある
法定通貨のデジタル化は現在、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を含め、多くの国・地域で研究やテストが継続されている。
CBDCとは
「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。ブロックチェーンを利用するとは限らない。
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また、パラオ共和国の大統領は、昨年1月のCoinDeskのインタビューで仮想通貨取引所の創設にも取り組んでいると話していたという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します