ビットコイン29000ドルで推移、バイナンスのテザー(USDT)売りに複数の見方

マクロ経済と金融市場

前週末4日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比150ドル(0.43%)安、ナスダック指数は50.4ポイント(0.36%)安で取引を終えた。

2日の格付け会社フィッチ・レーティングスの米国債の格付け引き下げで世界の株式市場が軒並み下落した中、4日に発表された米雇用統計結果で平均時給の上昇率が市場予想を上回ったことなどを受け、利上げ局面の長期化が意識された。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.19%高の1BTC=29,098ドルに。

BTC/USD日足

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏は、10日の米消費者物価指数(CPI)と13日のアークと21シェアーズの現物型ビットコイン上場投資信託(Ark 21Shares Bitcoin ETF)の承認判断を今後相場に影響を与え得る材料として指摘。

SECの現物型ビットコインETF承認判断に関しても、SECとコインベースとの間で法的紛争がある限り判断が延期される公算が高いと見ており、来週のBTC相場には下値リスクがある

との見解を示した。

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Cinneamhain VenturesのパートナーのAdam Cochran氏は5日、Huobiの財務基盤について債務超過懸念を抱いていることなど、複数の疑問点をTwitterで指摘した。

真偽の程は定かではないが、「バイナンスが断続的にテザー(USDT)の大量売却を行ったことは、フォビに対するリスク回避的な措置ではないか」と指摘。Huobiの幹部が事情聴取を受けたとの情報やstUSDTローンチから間もないタイミングであったことなど複数の根拠を挙げた。

これに対し、Huobiの広報担当者はFUD(悪い噂)だとして否定している。

バイナンスによるUSDT売却については、米司法省による起訴の検討報道などが取り沙汰される中、分散型ステーブルコインのDAIに資金変換している可能性を指摘する声もある。

7日昼時点では、Tether社の発行するUSDT価格は前日比0.02%安の0.99827ドルとなっており、過去のディペグ(Depeg)騒動の時ほどの乖離には至っていない。

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Toru Sasaki氏は、おそらく暗号資産内の問題が主な理由だろうとしながらも、「フィッチの米国債レーティング引き下げからの連想もあり得る」との見方を示した。

米ドルに価値を担保されたテザーの裏付け資産に「米国債」が含まれており、USDTの準備資産の内、約85%を現金および現金同等物が占めている。現金同等物には、米国債のほか、マネー・マーケット・ファンドなどが含まれる。

ただしこの点については、テザー社の保有する米国債の平均保有期間は90日以下であることから、格下げで影響を被った長期債であるため直接的な影響はないとした。

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その上でToru Sasaki氏は、主観だと前置きを入れつつも「テザー売りがドル指数(DXY)売りの先行指標となっている可能性」を示唆した。テザーの発行残高は今年6月中旬から頭打ちになっており、暗号資産(仮想通貨)市場で、間接的にドルを買う動きが停滞していることを意味する。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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