CPI控えビットコイン膠着状態、ARKのビットコインETF可否判断は延期濃厚か
マクロ経済と金融市場
週明け7日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比407ドル(1.1%)高、ナスダック指数は85ポイント(0.61%)高で取引を終えた。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.04%安の1BTC=29,166ドルに。
手掛かりに欠ける中、狭いレンジ内で小幅推移を繰り返すなどボラティリティは過去最低水準を記録している。10日にCPI(米消費者物価指数)発表を8月24日〜26日にジャクソンホール会議を控え、膠着状態に陥りやすいか。
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米CNBCが報じたところによれば、米国証券取引委員会(SEC)は、ARK Investment Managementによるビットコイン現物上場投資信託(ETF)申請の最初の可否判断期日を13日に迎える。
ただし、現在最有力とされるBlackRockをはじめ、Bitwise、VanEck、WisdomTreeを含む8企業がビットコインETFを申請しているが、過去に申請され最終的に却下されてきたビットコインETFの経緯からも、今回の申請もSECの審査判断は最終期日まで最大240日間延期される公算が高い。
ブルームバーグTVに出演したARK Investmentのキャシー・ウッドCEOも同様の見解を示しており、「同時に複数のビットコインETFを承認するのではないか」と述べた。
23年7月19日にビットコインETFをSECに申請したブラックロックの場合、24年3月16日頃が最終期日となる。ETF専門家のEric Balchunas氏と暗号資産ファンドマネージャーのJames Seyffart氏は、昨今の状況を踏まえ、ビットコインETFの承認予想確率を65%まで引き上げた。
ビットコイン投資信託「GBTC」の現物ビットコインETF転換承認を求めて訴訟するグレースケールが、SECとの裁判で勝利を収められるかどうかが肝となるとの見立てを示している。
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Huobiの財務懸念
Cinneamhain VenturesのパートナーであるAdam Cochran氏が、独自のオンチェーンデータ分析内容からHuobiの財務健全性について懸念を示した。
取引所の準備金であるステーブルコインのテザー(USDT)およびUSD Coin(USDC)の保有量を巡り、9000万ドル未満と見積もったフォビのオンチェーンデータとプルーフ・オブ・リザーブ(Proof of Reserve)の一環として開示されたマークル・ツリー監査のウォレット残高6億3000万ドル相当との矛盾点を指摘するものだ。
DefiLlamaのデータによると、8月5日から6日にかけてHuobiから総額6,400万ドルの資金が送金され、預入総額は30億9,000万ドルから25億ドルに減少した。
Huobiやトロンの一部関係者が賭博ウェブサイトに関与した疑いで中国当局から事情聴取を受けたとする現地メディアなどの報道を受け、投資家の資金引き出しが相次いだものと見られるが、Huobiの広報担当者やグローバルアドバイザーであるJustin Sun氏は「事実と異なるフェイクニュース」と否定した。
同氏によれば、Huobiは2023年第2四半期に8,500万ドル以上の利益を生み出し、2023年第3四半期には1億ドルの利益が見込まれると主張している。
ブロックチェーン分析プラットフォームのNansenによれば、BTCを除くネットフローは、過去24時間(7日7時時点)で3290万ドルの純流出となった。
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