コインベース支援のL2「Base」のユーザー数が10万人突破 friend.techが一因に
Base、DAU10万件突破
先日メインネットを公開したレイヤー2ネットワークBaseは、10日にデイリーアクティブユーザー数が10万人を突破した。ユーザー規模急増の要因の一つとして、ソーシャルファイ(Socialfi)分野のアプリ「friend.tech」が注目されている。
Baseは認証済み登録ユーザー数1億人を超える米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが支援しているプロジェクトで、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションとして位置づけられる。その目標は、次の100万人の開発者と10億人のユーザーを仮想通貨の世界に引き込むことだ。
8月9日にメインネットローンチを迎えたBaseは、100以上のアプリやサービスプロバイダーの参加を受け、早くも13万6,000件のデイリーアクティブユーザー数を記録。この規模は、先行するL2のアービトラム(ARB)に匹敵する。
Arbitrumとは
Optimistic Rollupという技術を活用したL2ソリューションを開発するプロジェクト。イーサリアムのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーンで処理することにより、ネットワークの混雑解消を図る。
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11日時点でもBaseのユーザー数は117,000件を維持し、ネットワークの預入総額(TVL)は1億7000万ドル相当に上る。
friend.techの人気
friend.techは、Base上で10日に招待制のベータテストをスタート。このプラットフォームでは、ツイッター(X)のインフルエンサーが独自のソーシャルトークンを発行し、参加者が売買可能になっている。ユーザーのShares(株)を所有すると、そのユーザーのコンテンツへのアクセスと、メッセージ送信機能が利用可能になる。
なお、株トークンは一般的なERC20トークンではなく、オンチェーンで流通しないようだ。
Dune Analyticsのデータによれば、friend.techはリリース以降、126,000件を超える取引を記録。取引総額は4,400ETH、約810万ドルを超え、NFT市場OpenSeaの取引量(2,092 ETH)を上回る勢いを見せている。
招待制のベータ版での展開にもかかわらず、ツイッターでの盛り上がりが目立っている。アプリ上には「エアドロップ」とラベル付けされたアイコンが発見され、エアドロップによる「ポイント」の付与も予定されている模様。
Coinbaseの上級ソフトウェアエンジニア、Yuga Cohler氏のツイートによれば、Cobieのソーシャルトークンは既に2ETHの価格に、匿名トレーダーHsaka Tradesは1.3ETH、開発者Racerは1.19ETHで取引されている。
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friend.techに対する懸念も
一方で、価格モデルには批判の声も見受けられる。価格を算出するボンディングカーブが急激に変動しやすい設計であると分析されており、またP2Pの流通市場が未整備の状態だ。
さらに、friend.techのデスクトップ版サイトは情報が乏しく、ロードマップや創設者の経歴、ホワイトペーパーなど、プロジェクト詳細に関する情報が確認できないことも不安材料となっているようだ。
データの取り扱いに関しての懸念もある。プライバシーポリシーへのリンクが存在するも、クリックすると「もうすぐ登場します!」のポップアップが表示される。そのため、匿名のEメールや新しいウォレットの使用が推奨されている。また、アプリへの大量のアクセスにより、ネットワーク障害も発生している。
friend.techの背後には、「Racer」として知られる開発者がいる。彼は過去、大きな注目を集めたTweetDAOやStealcam(後にfriend.techにリブランド)の製作者として知られる。TweetDAOの主要アカウントや関連サイトは現在、利用できない状態だ。
Racer氏は、The BlockとのインタビューでBaseを選択した理由として「コインベースの信頼性」を挙げ、多くのユーザーに受け入れられるブランドとして評価している。
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