FOMC控え金融相場は様子見基調、TONは前週比33%高
マクロ経済と金融市場
18日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比6.06ドル(0.02%)高、ナスダック指数は1.9ポイント(0.014%)高と横ばいで取引を終えた。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.21%高の1BTC=26,715ドルに。
BTCはレジスタンスラインの重なる27,400ドル水準まで上昇するも上方ブレイクはならず、米国時間(日本時間深夜2時頃)にかけて700ドル幅反落した。
20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米国株市場も様子見基調となった。
昨今の経済指標ではインフレの鈍化傾向が確認され、いよいよFRBの利上げサイクルが最終局面に突入しているとの見方が強まる中、金利先物市場は今回のFOMCでの政策金利据え置きを98.0%と予想している。
次回11月開催のFOMCで25bpの追加利上げがあるとの見方は28.2%となっており、前週比で10%ほど低下した。
市場予想では年内あと1回の追加利上げは想定の範疇にあるものの、経済データ重視で慎重なスタンスを貫くパウエルFRB議長の発言内容までは十分織り込んでいない。
また、利下げ期待の思惑につながる可能性もある2024年の予想中央値を示すドットチャートや経済見通しを含め、暗号資産(仮想通貨)市場関係者からも注目を集めそうだ。
関連:ビットコインは12日から三連騰の逆転劇、9月FOMCの注意点は|bitbankアナリスト寄稿
イーサリアム(ETH)は、大型アップグレードThe Merge(ザ・マージ)の1周年を節目にローンチ予定だった新しいテストネット「Holesky」でトラブルが発生。ローンチが延期されたが、市場に影響は見られなかった。
関連:イーサリアム新テストネット「Holesky」、設定不良で起動延期
ネットワークを生成するためのファイル構成に設定ミスがあったことが要因とされる。
イーサリアム財団の開発・運用チームとクライアントチームの間で協議の結果、問題発生から1週間後(9月23日)に再起動される。合意に達したという。
テストネット「Holesky」は、イーサリアムの改善提案EIP-4844(プロト・ダンクシャーディング)を実装予定の「Dencun」ハードフォークに備えたもの。
Dencunは、実行レイヤーのアップグレード「Cancun」とコンセンサスレイヤーのアップグレード「Deneb」の2部構成であり、レイヤー2からレイヤー1へのトランザクション料金及びデータ転送量の大幅削減が期待される。
関連:イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?
その他の個別銘柄では、The Open Network(TON)が前週比33.2%(前月比75.2%)高と大幅上昇している。
シンガポールで開催中の「Token2049」で発表された大手メッセージアプリ「テレグラム」とTON基盤の仮想通貨ウォレット「TON Space」の統合が材料視された。
Telegram Messengerは、月間8億人を超えるアクティブユーザーを擁する。The Blockの報道によれば、「TON Space」は今年11月から世界中で展開予定。
TONはテレグラムが開発したブロックチェーンであったが、2020年に米SEC(証券取引委員会)から、「ネイティブトークンGramの販売による資金調達は、未登録証券の販売(証券法違反)にあたる」として提訴され、その後和解した。
2年以上開発してきたTONの開発中止を余儀なくされ、オープンソースコミュニティプロジェクトとしてTON Foundationに引き継いだ経緯がある。
詳細:テレグラム、TON基盤の仮想通貨ウォレット「TON Space」を正式リリース
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します