パンテラなど仮想通貨ベンチャーキャピタル、2023年はリターン上昇傾向
パンテラキャピタルらのリターン増加
米大手暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタル(VC)、パンテラキャピタルのリキッド・トークン・ファンドは2022年の下落から今年は回復し、12月中旬の時点でリターンは80%近くになった。その他のVCもリターンを増やしている。ブルームバーグが報じた。
パンテラキャピタルは80%のマイナスリターンを記録していた2022年から回復した形だ。このファンドは流動性の高いトークンなどから構成されるもので、現在は分散型デリバティブ取引所dYdXのガバナンストークン「DYDX」へ多くを投資している。
また、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)への投資が合計でポートフォリオの40%未満を占めている。
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その他にチェーンビュー・キャピタルの年初来リターンが100%、主にアルトコインに投資するストカ・グローバルは11月末時点でのリターンが268%を記録した。
2022年以降、FTX破綻や、米国で銀行サービスへのアクセスが限られたことなどから、仮想通貨関連のベンチャーキャピタルは苦境を強いられていた。2023年初めに運用されていた712のファンドのうち、現在まで生き残ったのは462だ。
2024年にビットコイン現物ETFが承認されるとの期待が高まっており、ビットコイン価格も回復していることから、これらのファンドの来年の見通しは明るいとの意見もあがっている。
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例えば、Alt Tab Capitalのグレッグ・モリッツCEOは、そのファンドが30%上昇すると予想しており、強気相場へ向かい準備を整えていると述べた。
Alt Tab Capitalは、その資産の2%が破綻したFTXのプラットフォームから動かせない状態にあり、流通市場で保有資産の売却を進めているところだ。
なお、パンテラキャピタルのダン・モアヘッド創設者は、米投資会社バークシャー・ハサウェイ副会長によるビットコイン急騰への批判的な発言に反論していた。
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米マイクロストラテジーはビットコイン買い増し
ビットコインを財務資産として保有することで知られる米マイクロストラテジーは、現物ETFの承認期待も背景として、さらにビットコインを買い増しているところだ。
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同社のマイケル・セイラー執行会長は、ビットコイン現物ETFが同社株の魅力を減らすことはないと話している。同社株式はETFと異なり、レバレッジを提供し手数料も取らないという長所があると説明した。
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