ビットコイン半減期前のマイナー売り続く、コインベースレポートは売り圧の枯渇傾向を指摘
マクロ経済と金融市場
前週末2日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比134.5ドル(0.35%)高、ナスダック指数は267.3ポイント(1.7%)高で取引を終えた。
米雇用統計は市場予想を上回る強さを見せ、米経済の底堅さを示したが、一方でFRB(米連邦準備制度)の早期利下げ期待は後退した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比1.43%安の1BTC=42,389ドルに。
44,000ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)で失速しており、半値戻しからレンジ下限に向かうかどうか試されそうだ。主要アルトでは、ソラナ(SOL)が3.1%安、XRPが3.4%安、アバランチ(AVAX)が4.6%安となった。
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ここ数週間は、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の米SEC(証券取引委員会)承認期待で高騰してきた暗号資産(仮想通貨)の利益確定が先行するなど、売り先行の相場が続く。
ETF転換したグレースケールの投資信託「ビットコイントラスト(GBTC)」の大規模売りのほか、今年4月に予定される半減期に備え手元資金を確保しておきたい大手マイナー(採掘業者)売りも重なった。
データ分析企業CryptoQuantに投稿したcaueconomy氏は、マイナーの保有するビットコイン総量を示す「マイナーリザーブ」は、過去2日間で14,000 BTC(6億ドル)以上減少したと指摘した。
暗号資産取引所への送金・売却目的でウォレットから資金移動していることを示唆しており、FTX破綻を伴うアラメダ・ショックの発生した22年11月には、10%激減する局面があった。現在は、21年7月以来の最低水準にまで低下している。
コインベースの市況分析
コインベースが2日に掲載した市況レポートによれば、GBTCや破綻したFTXによるビットコイン清算の売り圧力は枯渇し始めている。
また、米国における先週のビットコイン現物ETFへの純流入額は、日平均2億ドルを超えており、1月11日以降の純流入総額は14億6000万ドルに達した。
コインベースはFRB(米連邦準備制度)の利下げ時期についても言及。金融引き締め→緩和転換のサイクルは5月1日に始まる可能性が最も高いと指摘し、FRBのバランスシート縮小計画の終了は6月になるとの見通しを示した。
時期的に今年4月のビットコイン半減期とほぼ重なるため、ビットコインETF(上場投資信託)の宣伝効果や資産運用会社のポートフォリオに組み込まれていくことで、今春以降の流動性は十分に高まるとしている。
さらに、ソラナ(SOL)市場最大となったエアドロップにも言及。
1月末に行われたソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーターであるJupiter(JUP)のエアドロについて、23年11月のPyth 、12月のJitoの流れを引き継いでおり、当面はこのような好循環が続く見込みとした。その根拠の一つが、ソラナチェーンへのステーブルコインの流入ペースの増加である。先週は13.7%増の21億ドルに達したという。
エアドロップは過小評価されており、ソラナチェーンへのストレステストを兼ねているとの見方を示した。具体的には、一部ノードが過負荷になり、ユーザーエクスペリエンスが低下したりトランザクションタイムアウトが発生したりするケースは散見されたものの、大規模なエアドロップの影響で広範なブロックチェーンの停止が発生しなかったことを評価した。
ソラナチェーンは23年2月以来、ダウンタイム発生しておらず、Yahooファイナンスの記事でSolana Labsを新法人のAnza Technologiesに事業および技術移管を検討するスピンオフについて言及されたことも、さらなるネットワークの多様化・分散化につながる動きでポジティブだとしている。
アルトコイン市場
Meta(旧フェイスブック)株の高騰を受け、暗号資産(仮想通貨)市場でもAI(人工知能)関連銘柄が物色されている。meta社は四半期(10月~12月)決算発表にて純利益が約3倍の約2兆500億円に急伸したことがわかり、株価は前日比20.3%高の474.9ドルまで急騰した。
初の配当を発表したほか、500億ドル規模の自社株買いを発表したことも好感された。大規模なコスト削減などが奏功し、広告事業が堅調に推移した結果だという。鳴り物入りで参入したメタバース(仮想空間)事業は思うように伸びず一時低迷したが、AI開発の成果を強調するなど、AI領域に軸足を移していく方針を示している。
暗号資産(仮想通貨)相場では、CoinMarketCapのAI & ビッグデータセクターのICPが前週比3.1%高、Render(RNDN)が前週比17.4%高となった。
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