ビットコイン一時14%安 過去最高値69000ドル到達後
利確売り加速か
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は6日0時ごろ、過去最高値の1BTC=69,000ドルに到達した。2021年11月以来(846日後)の水準に達した。
しかし、その後急落し14%安で一時59,000ドルまで下落し、円建てで1,000万円台を下回った。ソラナ(SOL)などの主要アルトコインや、前日まで高騰していたBONKなどのミームコイン銘柄も大幅に落ちている。
特にネガティブなニュースがあったわけではないが、ATH(最高値)到達後、米グレースケールのビットコインETF「GBTC」から2,489 BTC(1.56億ドル)の流出(アウトフロー)が観測された。
また、BitMEXリサーチの追跡によると、4日にブラックロックやフィデリティなどのビットコインETF(GBTCを除く)から合わせて合計5.6億ドル規模の資金が引き上げられたという。直近の続伸から機関投資家による利確売りが加速したようだ。
ビットコインETFに関しては1月11日ローンチ直後の約300億ドルの資産規模が、7週間で500億ドル規模と膨らんできた。ビットコイン価格の上昇分のほか、約80億ドル分は資金流入によるものだった。
なお、今回の反落で、コインベースやマイクロストラテジーといった仮想通貨関連株も大幅安となっている。
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BTC高騰の背景
ビットコイン現物ETF(上場投資信託)が今年1月に米SEC(証券取引委員会)に米国で初承認され、機関投資家の資金流入が加速したことが背景にある。
2021年の強気相場では、国として初めてとなるエルサルバドルにおけるビットコイン法定通貨化や、米国で初めてビットコイン先物ETFが承認されたことを受け、69,000ドルまで上昇した。
しかしその後、FRB(米連邦準備制度)のテーパリング(量的緩和縮小)および金融引き締めの影響で金融市場がリスクオフに傾くと大幅下落。さらに22年5月以降は、アルゴリズム型ステーブルコインTerraUSD(UST)の崩壊やテラ(LUNA)ショックを発端に大手ベンチャーキャピタルThree Arrows Capital(3AC)の破綻を招いたほか、同年11月に大手暗号資産取引所FTXの破綻などが重なると、2023年初頭にかけて相場は低迷期に入った。
トレンド転換を果たした2024年現在のビットコイン相場を牽引しているのは、資産運用最大手ブラックロックのETFであるiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)やフィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)だ。
米国の景気や企業業績の先行き期待などから、米国のダウ平均株価や日本の日経平均株価が過去最高値を更新したことも投資家心理を強気にしている。FRB(米連邦準備制度)による金融引き締め局面がようやく終わりを迎えており、今後利下げが始まれば、株やビットコイン(BTC)などのリスク性資産には追い風だ。
半減期予定も
また、2024年4月にはビットコイン半減期が予定されている。
半減期は4年に1度の周期で行われ、マイニング(採掘)によって得られる新規発行量が半分に絞られる仕組みのこと。これにより需給バランスが調整され、インフレを抑制する。
必然的に半減期後はマイナー(採掘業者)が売却する市場供給量も絞られるため、過去の相場サイクルではいずれも需要が供給を上回り、半減期の前後でBTC価格が高騰する傾向にあった。
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