「ビットコインの最高値更新には、トランプ講演だけでは材料不足」QCP分析
ビットコイン相場分析
暗号資産(仮想通貨)取引企業QCPは29日、ビットコイン(BTC)価格の大きな上昇には、米共和党のドナルド・トランプ大統領候補の講演よりも、さらに強力な材料が必要である可能性があるとの見方を示した。
ビットコイン価格は6万7,000ドル(1,031万円相当)から7万ドル(1078万円相当)のレンジで推移したままで、価格変動は小さくなってきていると指摘。トランプ氏の講演中に価格が変動したが、オプショントレーダーが期待したほど大きな値動きではなかったと説明している。
このトランプ氏の講演とは、先週に開催されたカンファレンス「ビットコイン2024」を指している。この時トランプ氏は、米司法省が保有するビットコインを売却せず、国家戦略的な備蓄に充てる予定であることなどを発表していた。
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この時ビットコインは、過去数週間にわたり下落基調にあったが、カンファレンスが始まると反動高もあり大幅反発。相場の格言通りの「噂で買って事実で売る」および失望売り警戒などからトランプ氏の講演前後で下落したものの、講演内容が市場の想定を上回る内容であったことから再び買われていた。
一方その後、7万ドルを超えることもあったが、一時6万6,000ドル台まで下落。本記事執筆時点では6万7,000ドル台で推移している。
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QCPはトランプ氏の講演内容は、業界の期待通りではあったが事前にリークされていた通り(織り込み済み)であると指摘。一方で、各媒体調査によるトランプ氏とハリス氏の支持率は拮抗状態にあるとされており、ビットコイン・カンファレンスでの講演内容の実現可能性は、少なくとも現時点では不確実性が高い。
そのため、QCPはビットコインが過去最高値を更新できなかったことから、今後も一定のレンジで推移していく可能性が高いとみている。また、米大統領選が近づいてきて、トランプ氏ら候補者の公約や政策がより明確になってくれば、相場が動く可能性があるとも述べた。
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Bitfinexの分析
「オプショントレーダーの期待」についてQCPは具体的に記述はしていないが、仮想通貨取引所Bitfinexが29日に公開したレポートで、オプション取引の市況に言及した。
Bitfinexは、ビットコイン2024の開催とともにビットコイン価格が上昇していたと指摘。そして、その時にオプション市場の予測変動率(IV)も最初は上昇したと説明した。
予測変動率とは
英語では「Implied Volatility(インプライドボラティリティー)」という名称。オプション取引におけるテクニカル分析指標の1つで、将来の価格変動率を予測したもの。
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しかし、その後はトレーダーがリスク回避したためにIVが下がっていると指摘。その上で、8月2日に満期を迎えるオプション取引が多くあり、その後に市場に落ち着きが戻るようであれば、ビットコイン相場は一定期間一服するか、少し下落する可能性もあるとしている。
Bitfinexは、市場の次の動きは重要であるとし、米経済の状況に言及。そして、9月に米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始する可能性があるとし、マクロ経済の状況がこれから重要であることを示唆した。
米国では今週の30日から31日の日程で米金融政策決定会合「FOMC(連邦公開市場委員会)」を開催する。そこで利下げが決定する可能性はないとみられるが、声明文はジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見の内容によっては、ビットコイン相場にプラスになるとの見方が上がっている。
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