ビットコインとソラナの注目点
暗号資産(仮想通貨)市場分析会社10Xリサーチが28日に発表したレポートで、「ビットコイン(BTC)がさらに上昇するためにはマクロ経済的なトリガーが必要」と分析している。
報告書では、「ビットコインは8月には横ばい、9月には下落する傾向がある。最近の米国の金利引き下げへの期待感の高まりや、米国大統領選挙動向などで市場はポジティブだが、8月には10億ドル相当の仮想通貨のアンロック計画があり、売り圧力が生じる可能性がある」と指摘した。
10Xリサーチは、米国の金利引き下げやインフレ数値の低下などのマクロ要因がビットコインの上昇に必要であると述べている。特に、7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と8月14日の米消費者物価指数(CPI)の発表が重要指標として注目される。
6月のコアCPI(消費者物価指数)は市場予想を下回るなど、9月利下げが既定路線となりつつある。金利が下がれば、投資家の関心は債券投資から株式投資やデジタル資産へと移り、ビットコインだけでなく、ソラナ(SOL)のような仮想通貨市場全体を押し上げる可能性がある。
ソラナは
ソラナは過去2週間で約22%上昇した。10Xリサーチによれば、好調の背後にはイーサリアムETFに続く米国初の現物ETF承認への期待感がある。
22日にSECのヘスター・パース委員は、米メディアCoinageとのインタビューでETF(上場投資信託)の承認判断に、既存のCME先物の存在が必ずしも必須ではないとの見解について尋ねられ、「確立された規制の枠組みと判例を細心の注意を払って適用する必要があり、それぞれのケースを独自のメリットに基づいて評価することが重要だ」と言及した。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)先物は、ビットコインとイーサリアムのETF承認の要因となっていたが、ソラナの先物は取引されていない。「ケース・バイ・ケースで見ていかなければならない」とパース氏は述べた。
さらに「仮想通貨を扱うこの環境は非常に難しい。私や同僚が何をセキュリティ(証券)と考え、何をセキュリティではないと考えるのか、様々な疑問があるからだ。しかし、既存の判例を採用し、事実と状況が何であれ、それを適用すべきだ」と述べている。
先日、米資産運用会社VanEckと21Sharesが、ソラナETFの申請書を提出しており、ソラナに対する機関投資家の関心が高まっている。仮想通貨コミュニティーの一部では、SECによるソラナ現物ETF申請の承認判断に、CME先物市場が必要ないとの期待が高まっていた。
VanEckのデジタル資産リサーチ責任者であるマシュー・シゲル氏は、ポッドキャストで、仮想通貨取引所と証券取引所間の監視共有協定のような、操作(相場操縦)されない健全な市場を確保するための別の方法がある、と述べていた。