NFTの有価証券性で提訴の可能性、米SECがOpenSeaにウェルズ通知を送付

NFTの有価証券性

NFT(非代替性トークン)電子市場OpenSeaのデビン・フィンザーCEOは28日、OpenSeaが米証券取引委員会(SEC)から「ウェルズ通知(Wells Notice)」を受け取ったことを公表した。

SECはOpenSeaで取引されているNFTを有価証券とみなしており、「訴訟を起こすと伝えてきた」とフィンザー氏は説明。SECがクリエイターやアーティストに対して包括的な措置を講じようとしていることに衝撃を受けているとし、SECと争う姿勢を示している。

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。

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ウェルズ通知とは、企業や個人に対し、SECが法的措置を講じる予定であることを正式に伝える公文書。SECはOpenSeaを証券法違反とみなしているとみられるが、現時点では実際に提訴されているわけではなく、SECの主張は明確になっていない。

フィンザー氏は、NFTにはアート作品やゲームアイテムなどが含まれ、基本的にはクリエイティブな物であると指摘。そして、NFTを債務担保証券などと同じように規制すべきではないと主張した。

また、SECはNFTを標的にすることで、イノベーションを広範囲に妨げることになるとも訴えている。何十万ものアーティストやクリエイターがリスクにさらされることになり、その中の多くの人々は自身を守る手段を持ち合わせていないと述べた。

フィンザー氏は今回、ウェルズ通知を受け取ったクリエイターや開発者の裁判費用を支援するために、500万ドル(約7.2億円)を用意するとも伝えている。

そして、SECが早く正しい認識をするようになることを望むとも述べた。

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ウェルズ通知に対する反応

SECは以前からNFTに対し、執行措置を講じている。例えば昨年9月には、有価証券に該当するNFTを未登録で販売したとしてStoner Cats 2という企業を提訴し、和解したことを発表していた。

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公式サイトによるとOpenSeaは現時点でイーサリアムやソラナ、Baseなど12のチェーンに対応しているNFT電子市場。DappRadarのデータによると、NFT電子市場の中で出来高が最も大きい。

そのため、今回のウェルズ通知に対しては、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン領域の内外から多くの反応がみられた。執行措置を通じて規制を継続するSECに批判的な声が寄せられている。

例えば、NFTや証券法を専門とするケンタッキー大学の法律学担当教授は「Decrypt」に対し、以下のようにコメントした。

NFT市場は、アートの市場と同じだ。アートの市場はSECが創設されるずっと前から存在し、SECが規制を行ったことはない。

もしSECがアートの市場を証券市場と考えるならば、それを明言して規制すべきだろう。もし証券市場と考えないのならば、OpenSeaの規制にも関与すべきではない。

また、米国のワイリー・ニッケル議員は以下のように述べている。

今度はOpenSeaを標的にして、SECが執行措置による規制を継続していることを非常に残念に思う。

SECやゲンスラー委員長はこのようなやり方をやめるべきだ。米国がイノベーションを促進し、雇用を維持できるような明確で公正な規制を整備するため、議会と協力して欲しい。

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