eToroがSECと和解 米国でビットコインなど3銘柄のみ提供へ
2億円の罰金でSECと和解
暗号資産(仮想通貨)や株式などの取引サービスを提供するeToroは12日、米証券取引委員会(SEC)と和解した。SECの調査結果を認めることも否定することもなく、150万ドル(約2億円)の罰金支払いに同意した格好だ。
SECが証券とみなした仮想通貨を清算し、その収益をそれぞれの顧客に返還することにも同意している。
さらに今後、SECの命令に従い、米国の顧客が同社のプラットフォームで取引できる仮想通貨をビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアムだけに限定する。
これらの銘柄については、SECが証券ではないと考えていることが示唆される格好だ。
SECは、eToroが未登録でブローカーなどとして運営し、証券とみなされる仮想通貨の取引を提供していたとして、同社を提訴していた。
eToroはイスラエルに本社を置く企業で、主な顧客基盤は欧州にある。米国での顧客アカウント数は24万件で、コインベースの1億件と比較すると規模は小さい。eToroのヨニ・アシア共同創業者兼CEOは、今回の命令が、グローバル事業に及ぼす影響は小さいとして、次のようにコメントした。
米国以外では、eToroのユーザーは引き続き100以上の仮想通貨にアクセスできる。グローバルなマルチアセット取引・投資プラットフォームとして、当社は力強い成長を続けており、将来的には上場企業になることに注力している。
アシア氏は、英国とEUでは仮想通貨の明確な規制枠組みがあることに言及。今後、米国で同様の規制枠組みが確立された時には、それに準拠するトークンの取引を可能にしたいとも続けた。
eToroによると、2025年3月11日までに、ユーザーは該当する仮想通貨のポジションをクローズするか、eToroウォレットに送信することが可能だ。
ウォレットに転送できないポジションのみが、2025年3月18日に清算されることになる。これらは、すべての米国ユーザーが保有する仮想通貨の米ドル相当価格で、3%未満に過ぎないとされる。
アシア氏が述べたように、英国では特に仮想通貨に前向きなリシ・スナク前首相の下で環境整備が進んだ。また、新政権も仮想通貨の財産としての地位を明確化する法案を提出している。
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EUも、2023年に仮想通貨の包括的規制案「MiCA」を正式承認しており、今年より段階的に施行されているところだ。
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業界からはSECに批判も
法律の専門家で仮想通貨に詳しいドリュー・ヒンキス氏は、今回もSECは、どのトークンが証券にあたるのかを明示していないと指摘。市場関係者は、SECがどの資産を「証券」とみなすのかについて憶測を続けるしかないと続けた。
eToroによると、具体的にはAAVE、ALGO、BAT、ADA、LINK、COMP、DASH、MANA、DOGE、ENJ、EOS、ETC、MIOTA、LTC、MKR、NEO、MATIC、XRP、XLM、SHIBxM、XTZ、TRX、UNI、YFI、ZECの取引を米国では扱わないことになる。ただし、SECがこれらのトークンについて明示的な意見を示した訳ではない。
コインベースのポール・グレワル最高法務責任者も、SECはビットコインとイーサリアムについては証券ではないとしているが、それ以外のトークンの地位については説明していないと指摘。それは、そもそも分類が不可能だからだと意見した。
SECには計画性や枠組みや一貫した論理や、法の尊重が欠けていると改めて批判している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します