Zcash高騰の理由となったBithumb上場、Bithumb従業員がインサイダー情報を流していた可能性?
- Zcashの高騰理由であったBithumb上場情報を、Bithumbスタッフが漏洩させた?
- Bithumbの従業員が、社内公式文書を漏洩し、インサイダー取引を行なった可能性があるとして話題になっています。
- 韓国の最もメジャーな仮想通貨取引所であるBithumbに対し、韓国政府による連邦捜査が執り行われる可能性も?
- BIthumbは世界屈指の取引量を誇る取引所ということから、韓国市場が世界の仮想通貨市場に与える影響は絶大なものと言えるでしょう。
2017年9月28日、CryptoKorean(韓国仮想通貨情報提供メディア)を含む複数の信頼できる情報源から、Bithumbの従業員が同社のZCashとQtumの取引所上場計画を事前に漏洩していたことが報告されました。
その従業員と匿名の個人とのトーク画面のスクリーンショットが、韓国の主要仮想通貨とBitcoinの取引フォーラムにて公開されました。
上画像は、Bithumbの従業員が取引所上場計画を漏洩したZcashのインサイダー取引と思われる画像です。
この画像からBithumbの従業員は、社内で統合計画に関与している従業員及び開発者に配布されたZcashに関する公式ドキュメントを匿名の個人と共有していた可能性があると話題になっています。
従業員はさらにドキュメントと共に以下の文章を記述しています。
「これは、Ripple上場の時と同じ状況です。Zcashは当初Rippleに続く2番目の新規銘柄でしたが、Bithumbの開発チームは、取引量が多いことからQtumの方がいいのではないかという件で議論していました。しかし、BithumbはZcashもQtumも両通貨共に韓国の仮想通貨取引所では認知度が低かったことから、Zcashに対してもまだ確実にリスト入りするかはわかりません。」
BithumbがZcashの上場計画を決めて間もない頃に、Zcashの取引量が急激に増え、280ドルから2016年11月のICO以降最高値となる450ドルにまで値上がりしました。
WhalePanda氏を含む有名なBitcoinトレーダーや投資家たちは、この無名の仮想通貨がBithumbの公式な上場前や情報が公開される前に急激な値上がりを起こしたことから、これがインサイダー取引であると確信しました。
どうしてBithumb の上場がZcashに対して大きな価格上昇をもたらすのか?
韓国の最もメジャーな仮想通貨取引所であるBithumbは、韓国が仮想通貨市場の規模として世界でもトップクラスであるため、世界で最も規模の大きい仮想通貨取引所の一つに数えられます。
今月2017年8月初頭に、Bithumbは1日の取引量が25億ドルを超え、世界の仮想通貨取引所を牽引する地位を断固たるものにしました。
CoinMarketCapなどの仮想通貨取引所のデータ提供者によると、全世界の一日の総仮想通貨取引量は47億ドルだと言います。すると、Bithumbは全世界の一日の取引の50%以上を担っていることになるのです。
仮想通貨時価総額ランキング10位に含まれていない仮想通貨はまだ全体の取引量が多くないことから、Bithumbのような国際的な主要取引所の取引リストに追加されることで、流動性が飛躍的に向上するのです。
さらに、Bithumbでの上場は、現在世界有数の仮想通貨取引市場になりつつある韓国市場の開拓に繋がります。
Bithumb開発チームのZcashの統合による価格の暴騰と同じようなことが、2017年の初めにMoneroで起きました。
CryptocoinnewsによるとMoneroの価格は、8月28日にBithumb上場以降初めて、当時の価格150ドルを越しました。
Bithumbによって勢いをつけたMoneroは今では、仮想通貨ランキングで9位まで浮上しているのです。この時の価格は約3倍近くの上昇を記録しています。
しかし、これではトレーダーや投資家が、インサイダー取引に基づいて利益を生み出すためにBithumbやその他の主要取引所での上場を利用しているようになってしまいます。
国の中央銀行や金融取引を規制する機関は、過去にも仮想通貨関連の不正行為に対応した例もあり、Zcashでのインサイダー取引の件は、韓国政府による連邦捜査が執り行われることになるでしょう。
しかし、韓国の正当なライセンスを持ち、仮想通貨取引の場を提供しているBithumbにとっては悪い影響となってしまいます。
Traders Accused of Insider Trading Zcash, as Price Surges After Bithumb Integration
Sep 28, 2017 by Joseph Young
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
最近になり、仮想通貨に関する法案が続々と世界の国々で施行されています。
未だカバー仕切れない部分は多々あり、株式市場に関する日本の法律では禁止されているインサイダー取引や風説の流布といったメディアの買い煽りなど、取り締まりが行き届いていないと言えます。
このような状況であるからこそ、お金を儲けるために情報操作やインサイダー情報の事前取引などが多く取り沙汰されています。
先日もアメリカの投資銀行トップであるJPモルガンのCEOの仮想通貨に対し悪くとれる発言から、相場の下落を引き起こしましたが、価格が落ちたタイミングでJPモルガンが大量にビットコインを購入していたことが発覚したニュースも記憶に新しいと思います。
Bithumb取引所からすれば、今回のニュースはとても残念なものであり、信用を落とす結果となってしまいました。
このような無法地帯ともとれる、まだしっかりとしたルールが定まっていない仮想通貨への国からの規制は、仮想通貨の将来や健全さにおいて重要な役割を果たすと言えるでしょう。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します