
- 第二のビットコイン
- Zcashは発行上限、半減期、承認方法がビットコインと全て同じ通貨。
- 大手銀行のJPモルガンと提携
- 2017年5月に世界で大手の銀行JPモルガンと提携を結び話題に。
- 高い匿名性
- Zcashはゼロ知識証明を用いているので仮想通貨の中でも匿名性の高いことで有名。
Zdashコインの概要
通貨コード | Zcash(ZEC) |
---|---|
取引開始日 | 2016年10月28日 |
承認アルゴリズム | Proof of Work |
発行上限量 | 約2,100万 ZEC |
ブロック生成サイクル | 約2.5分 |
ブロックチェーンURL | ブロックチェーン公式サイト |
公式HP | https://z.cash/ |
Zcash(ジーキャッシュ)はビットコインの弱点を克服する目的で開発されました。
ビットコインの弱点とは送金者と受信者のアドレスや取引内容、履歴、全ての情報がオープンになっているため、誰でも閲覧できてしまうことです。
そこでZcashは「ゼロ知識証明」と呼ばれる技術を用いて、それらの情報をすべて隠すことを可能にさせました。よって非常に匿名性の高い暗号通貨として注目されています。
歴史
Zcashは2016年10月28日に公開されました。匿名性の高いアルトコインとして注目され、公開直後は非常に高値がつきました。
一時は急激に値下がりしたものの、大手銀行の提携などが理由で再び価値が上昇しました。その後、公開からわずか約7ヶ月で取引高が10位になるほどにまで成長しました。
1,000種類ある仮想通貨の中での10位ですから、いかにZcashの評価の高いかが伺えます。
現在、Zcashの時価総額1,400億円以上と言われており、今後も成長が見込まれるアルトコインとして注目されています。
値動きの変遷

時系列 | 円建レート | 評価 |
---|---|---|
2016年10月~ | ¥140,000 | Zdash公開直後の価格 |
2016年12月 | ¥6,000 | 公開以降、大幅に急落し、横ばいに |
2017年5月~ | ¥40,000 | JPモルガンとの提携が決定 |
2017年7月~ | ¥20,000 | 緩やかに下降し、現在 |
Zcashは公開直後に価格が跳ね上がり、1zec=約14万円になりました。これはプレセールを行わなかったため、市場の期待感が大きくなっていたことが考えられます。
しかし、その後は価格が急激に下落し、6000円ほどでやっと安定しました。公開当初と比べるとものすごい下落です。
下落の要因としてダークマーケットで利用されていることが挙げられます。ダークマーケットはいわゆる闇市場のようなもので、銃や麻薬などの売買が違法に行われています。
なかでもAlphaBay、TheRealDeal、Silk Road 3.0は世界三大ダーク三大ダークマーケットと呼ばれています。
このような闇市場でZcashのような匿名性の高い通貨が決済手段としてよく利用されているのです。
その後も価格は横ばいでしたが、2017年5月末から価格が高騰します。その原因として、JPモルガンとの提携やアルファベイでの決済採用などが要因となって価格が3倍以上になりました。
これはZcashの「ゼロ知識証明」というプライバシー技術がこれから将来にわたって実用的に取り入れられる可能性を秘めているということで、世間に認知される好材料です。
その結果、Zcashを持つ人が増え価格が上昇することに繋がるでしょう。
特徴
Zcashの特徴は何よりも匿名性です。ビットコインの弱点である匿名性をゼロ知識証明を用いて実現させたことが高い評価につながっています。
第2のビットコイン
Zcashは第2のビットコインと言われています。その理由として3つのことが挙げられます。- 発行上限が2100万枚で同じ
- 半減期が4年に1回
- トランザクションの合意方法が同じ
ゼロ知識証明
ゼロ知識証明は、自分の持っている命題が正しいことを、それ以外の情報を伝えずに示す技術です。詳しい内容は「魔法の呪文」という例題があるのでそちらを参照して下さい。
Zcashで用いられるゼロ知識証明とはブッロクチェーンなど開放的なネットワーク上で情報を非公開にしながら用いられるもので、マイナーが乱数と秘密情報を演算した後に質問形式で送って証明して行く方法であり、質問方式なので直接情報が開示されることはありません。
問題はこの質問方式での方法では確実に証明することができない点から質問を何回も試行回数をこなすことで偶然をなくし確率上で限りなく0にして証明するやり方です。
このゼロ知識証明は日常私たちが使っているパスワードなどでも簡略的に利用されており、仮想通貨以外でも幅広く応用されてる技術です。
Zcashはこのゼロ知識証明を用いることで、ビットコイン取引では公開が義務付けられている送信者、受信者、取引量を非公開にしたまま、トランザクションの整合性を保つことを可能にしました。
Bitcoinの場合

- 送信者
- 受信者
- BTCの取引量
これにより、取引内容のプライバシーが守られないという大きなデメリットが生まれます。
Zcashの場合

Zcashはこのようにゼロ知識証明を用いることによって、第3者にトランザクションを公開せずとも整合性を保つことができるようになりました。
これにより、ビットコインの弱点だった匿名性を高めることを可能にしたのです。
高い匿名性
Zcashは「ゼロ知識証明」により高い匿名性を持っているため、犯罪に使われる可能性があります。
実際に闇サイトで有名なアルファベイにて2017年7月1日より使用され、アメリカ政府が厳しく取り締まりました。
ビットコインの場合、犯罪、マネーロンダンリグ等に使用されたとしてもブロックチェーン上に公開されているため、現金化されても誰が行ったかわかります。
しかしZcashの場合、高い匿名性のため、これらに使用されても追跡することは困難です。国から規制が入ることも考えられますが、この匿名性の高さはサイバー犯罪を加速させてしまうかもしれません。
取引所
取引所 | 特徴 |
---|---|
![]() |
日本国内でも珍しくアルトコインの販売を行なっている取引所。ただし、Zcash建の取引は出来ない。 コインチェック(coincheck)とは? |
取引所 | 特徴 |
---|---|
![]() |
60種類以上のアルトコインを取扱う巨大取引所。 poloniex(ポロニエックス)とは? |
![]() |
ビットコインのレートが他の取引所よりも異常に高いことがある。 |
![]() |
ヨーロッパを中心に世界進出中の大手取引所。 |
Zcashを取扱う海外取引所は他にもありますが、盛んに取引が行われている取引所はPoloniexやBitfinexです。
マイニング
ZcashはProof of Workを採用しているので、マイナーは一攫千金を求めて一生懸命マイニングします。
しかし、そのためには採掘速度が速いPCが必要となり性能によっては収益が赤字になる可能性が高いです。
また、誰でも簡単にマイニングに参加できるため、収益を出そうとするのは難しいでしょう。
ウォレット
Zcashのウォレットは「JAXX」がオススメです。アプリにも対応しているのでスマホで管理できるので利便性に優れています。詳しくは公式サイトへ。まとめ
Zcashは仮想通貨において匿名性が高いという特徴があります。
その特徴からZcashは、JPモルガンのような銀行取引に利用されることもあれば、ダークマーケットのような違法取引にも利用されています。
また、2017年7月1日から三大ダークマーケットの一つであるアルファベイがZcashによる決済受付を開始しました。
以上のように、匿名性の高さが原因で闇取引の決済に利用されたり、送受信者が不明なので税金の徴収ができないという問題が起こってしまいます。
このためZcashが国や世界単位で規制、または禁止される可能性が将来的にも考えられるでしょう。