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野村傘下レーザーデジタル、米通貨監督庁から信託銀行設立の条件付き承認を取得

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • レーザーデジタルが、米通貨監督庁(OCC)から条件付きで、国法信託銀行設立の暫定承認を取得
  • カストディ・担保管理・決済サービスの提供を計画

米連邦規制下の信託銀行設立へ

野村ホールディングス傘下のデジタル資産企業Laser Digital Holdings AG(以下レーザーデジタルと表記)は5月29日、米国通貨監督庁(OCC)からLaser Digital National Trust Bank( LDNTB: レーザーデジタル・ナショナル・トラストバンク)の設立に関する暫定的な条件付き承認を取得したと発表した。

新規に設立されるLDNTBは、連邦政府の監督下に置かれる国法信託銀行であり、最終的な営業開始の認可は、資本要件をはじめとするOCCの事前開業条件をすべて満たすことが前提となっている。

同行は、顧客資産の管理・保管を含む信託業務および関連サービスを提供し、機関投資家を対象とした以下の3つの事業分野を展開する。

  • 外国為替およびステーブルコイン仲介サービス:法定通貨、ステーブルコイン、およびデジタル資産間におけるクロス通貨決済
  • 担保管理サービス:複数の取引所における証拠金口座間での資産移転、デジタル資産と伝統資産をまたいだクロスマージン運用、既存担保の利回り最適化
  • マルチアセット信託カストディサービス:デジタル資産、トークン化商品、および伝統的な金融資産を対象に、連邦規制に準拠した統合的なカストディおよび管理サービスを提供

レーザーデジタルは、ステーブルコインが機関向け為替取引に浸透し、トークン化資産が担保として活用され始めているにもかかわらず、それを支える金融インフラの整備は追いついていないと指摘する。LDNTBは、デジタル資産と伝統資産を一体的に扱える決済・担保管理基盤を提供することで、この空白を埋めることを目指す。

LDNTBのグループ・エグゼクティブ・チェアマン兼取締役会長であるスティーブ・アシュリー氏は次のように述べた。

この認可は、当社が当初から必要だと考えていた規制上の基盤となるものだ。この受託者責任という土台が整ったことで、トークン化資産と従来型資産を同じプラットフォーム上で、同じ条件のもとに保有・管理できる単一の取引先(カウンターパーティ)を提供する体制が、ようやく完成する。

なお、同行は預金の受け入れや融資サービスの提供は予定していない。

トランプ政権下でジーニアス法が成立し、仮想通貨を巡る規制の明確化が進んでいる。こうした流れの中、世界最大級のカストディ銀行BNY Mellonがトークン化預金サービスに乗り出すなど、伝統的な金融機関のデジタル資産参入が相次いでいる。

S&Pグローバルによると、2025年初頭から15社の仮想通貨企業がOCCの認可を申請した。同年12月以降にOCCは、レーザーデジタルの他、以下の仮想通貨・フィンテック企業に条件付きで認可を承認している。

リップル、サークル、BitGo、Paxos、Bridge(ストライプの子会社)、Fidelity Digital Assets、Crypto.com

OCCの認可を巡っては、アンカレッジ・デジタルが2021年に条件付き承認を取得したほか、2026年に入りコインベースも同様の承認を獲得している。さらに、ブラジルのフィンテック大手ニューバンク(Nubank)も同年1月に米国での国法銀行設立に関する条件付き承認を取得済みだ。

3カ国で仮想通貨事業展開

スイス・チューリッヒに本社を置くレーザーデジタルは2022年に設立され、機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)事業を展開しており、現在2億5,000万ドル超の資産を運用している。

今年1月、機関投資家向けにトークン化ビットコイン収益型ファンド「Bitcoin Diversified Yield Fund SP(BDYF)」を開設。そのほかにもLaser Digital Carry FundやMulti Strategy Fundなどのアクティブ運用ファンドを展開している。

関連記事:野村Laser Digital、ビットコイン収益型ファンド開設

野村ホールディングス傘下のLaser Digitalが機関投資家向けビットコイン収益型ファンドを開設。市場中立戦略で年利5%超の追加リターンを目指す。最低投資額25万ドル(約3,900万円)。

同社は、2023年8月にドバイの仮想資産規制庁(VARA)、2024年6月にアブダビグローバルマーケット(ADGM)からそれぞれライセンスを取得しており、アラブ首長国連邦(UAE)を中東拠点として機関投資家向け事業を展開している。

関連記事:野村系レーザー・デジタル、ドバイで仮想通貨オプションOTC初の認可取得

野村證券子会社のレーザー・デジタルがドバイVARAから仮想通貨OTCオプション取引で世界初の規制認可を取得。機関投資家向けデリバティブサービスを本格開始。

また2023年10月には、日本の拠点として、Laser Digital Japan株式会社を設立した。さらに2026年2月、日本の仮想通貨市場に本格的に進出するため、レーザーデジタルが本年中に金融庁に暗号資産交換業の登録申請を行うことが明らかになった。

関連記事:野村傘下レーザーデジタル、年内にも仮想通貨交換業に参入申請=報道

野村HD傘下のレーザー・デジタルが2026年中にも日本で暗号資産交換業への登録を申請すると伝えられた。大和証券とSMBC日興証券も参入を検討しており、2028年の仮想通貨ETF解禁をにらみ大手証券が体制整備を加速している。

今回の暫定承認を受け、同社はUAEと日本で積み上げてきた事業基盤が、米連邦規制の枠組みに統合されることで、機関投資家に対する信頼性と規制上の透明性が一段と高まると説明している。

信託銀行設立の最終承認までの期間は、コインベースの事例を参考にすると、6ヵ月から12ヵ月程度が見込まれる。

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