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ロシアのデジタル・ルーブル、導入1か月で22万件超の口座開設──予想を大幅に上回る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ロシア中銀によるCBDCが9月1日から本格導入
  • 国際決済の効率性向上にも期待

デジタル・ルーブルの立ち上がり好調

ロシア中央銀行は6日、9月1日のデジタル・ルーブル導入以来、ロシア国民によって22万件以上の口座が開設されたと発表した。ロイター通信が6日に報じた。これは中銀による当初の予想を大幅に上回る数字である。

ロシアの大手銀行は9月1日に、CBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタル・ルーブルの本格的な提供を開始。口座はプロジェクトに参加する銀行のアプリを通じて開設可能だ。

ロシア中央銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁は9月23日の会合(20万件弱の口座が開設された時点)で「我々は年末までに6万件程度と予想していたので、関心が高まっていると言える」とコメントしていた。

ウラジーミル・プーチン大統領はこの会合でデジタル・ルーブルは本格的な決済手段になったとの認識を示した。その上で中銀に対し、通常の非現金決済との違いや利点を国民に丁寧に説明するよう求めた。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

支持者らは、デジタル・ルーブルの導入により、脱税の防止や社会保障給付金の適正な使途の確保、政府調達の透明性向上が図られる可能性があると主張している。

また、ロシア中銀のズルフィヤ・カフルマノワ副総裁は9月、将来的にデジタル・ルーブル口座から直接ATMで現金を引き出せる機能を導入する計画だと話した。従来は一度銀行の預金口座に資金を移す必要があったが、その手順が不要になるという。

関連記事:ロシア中銀、一般投資家の仮想通貨購入に年間30万ルーブルの上限案

ロシア中央銀行は、非適格投資家(一般投資家)による仮想通貨購入額を仲介業者1社あたり年間30万ルーブルに制限する規則案を公表した。対象はBTC・ETH・USDTの3銘柄。4日にプーチン大統領が署名したデジタル通貨法に基づく措置で、意見募集は8月24日まで実施される。

制裁回避も背景の一つか

ロシアのVTB銀行のアンドレイ・コスチン頭取は先月、ロシア銀行協会主催の国際銀行フォーラムで、デジタル・ルーブルを活用した国境を越えた決済システムの構築への期待を示していた。

海外におけるVTB拠点やインドにおけるロシア貯蓄銀行の一部展開を利用するものを除けば、仲介業者の必要性などから国際決済の多くは依然として煩雑なものにとどまっていると指摘。デジタル決済システムであれば、より信頼性が高く体系的な業務の枠組みを確立できるだろうと続けた。

なお、ロシア中銀のナビウリナ総裁はデジタル・ルーブルのプラットフォームは、国際決済のためにロシアのパートナー国が利用している類似のシステムと整合性を持たせることが可能であるとの見解を示している。

ロシアがデジタル・ルーブルの開発を加速させた背景の一つとしては、ウクライナ侵攻に伴う西側諸国の経済制裁により主要な貿易相手国である中国やインドとの決済が困難になったことも指摘されているところだ。

EU(欧州連合)は4月、ロシア中銀のデジタル・ルーブルも制裁対象に追加している。

関連記事:EU、ロシア関連仮想通貨取引の全面禁止 デジタルルーブルも制裁対象に

EUはロシアへの第20次制裁パッケージを採択し、ロシア系仮想通貨サービスへの全面禁止とデジタルルーブル・RUBxの制裁指定を実施する。第三国VASPや制裁回避インフラも標的とされている。

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