4兆円規模のヘッジファンド、ビットコイン先物取引を検討 通貨インフレヘッジで

大手ヘッジファンドが仮想通貨に

380億ドル(4兆円)規模のヘッジファンドを運営する著名投資家Paul Tudor Jones(ポール・チューダー・ジョーンズ)が、ヘッジファンドとしてビットコイン先物取引を検討していると明かした。Jonesは1987年の「ブラックマンデー」を予測した人物としても知られる著名資産家でもある。

米紙ブルームバーグの報道によると、Jonesは「グレイト・マネタリー・インフレーション」と題した投資家レターで、中央銀行の通貨発行によるインフレリスクをヘッジする手段として、ビットコインが「ベストチョイスの1つ」に入ると指摘した。

以下その抜粋

ビットコイン単体で保有することは推薦しないが、現在の金融政策において、ビットコインのポテンシャルは理解している。従来の投資家はゴールドでヘッジする傾向だが、新たな安全資産に対する需要も高まり、ビットコインの役割は大きくなっていくと考えている。

どうしても予測する必要があるのならば、ビットコインにベットするだろう。

ヘッジファンドとしても、投資戦略を調整する必要がある。Tudor BVI(ファンド名)では今後ビットコイン先物の取引ができる。

同ファンドはビットコイン先物の購入上限に関する新ガイドラインを制定し、投資割合が10%を超えない範囲に留まるとした。

なぜビットコイン

Jonesが着目したのが、ビットコインの発行上限だ。「発行上限があるため、希少プレミアムがつく」と指摘し、「現在、世界で取引されている資産の中で、唯一明確な上限があるのはビットコインのみだ」と説明した。

ゴールド(金)も採掘上限はあるが、その数字自体は確定ではない側面がある。「ビットコインは70年代のゴールド強気相場およびその後の転落を思い出させてくれる」と話し、「しかし、ビットコインの総利益(GMI)は私を呼び戻してくれた。価値の保存でありながら、移動可能(送金機能)でもあるため、お金に近い存在だ」と見解を述べた。

出典:Paul Jones & Lorenzo Giorgianni

ビットコインの今後については、ゴールドや法定通貨のような流動性の高いアセットや、美術品や不動産のような流動性の低いアセットと競争し、10年後にどれが勝者になるか、長期的な観点で投資家に見られるだろう、と言葉を結んだ。

参考:ブルームバーグ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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