はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「2100万BTC」 仮想通貨ビットコイン発行上限の真実、バイナンスブログ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Never 21million

「半減期まであと10日」を前に、仮想通貨取引所のバイナンスは、「ビットコインは絶対に2100万枚にはならない」と題したブログを公開した。

ビットコインの発行上限は通常、2100万枚として世間では多く広まっているが、今回投稿されたブログ内では、その情報には誤りがあるとの指摘を行っている。

ブログによれば、ビットコインを割る際に丸め誤差が発生することから、無限にブロック報酬が半減できないため、実際のビットコインの発行上限数は20,999,999.9796 BTCとなるとのことだ。つまり、0.0204BTCという誤差がある。

この計算を踏まえた上で、ブログでは以下のように説明する。

経済学的に言えば、通貨が効率的に無限に割り切れたとしても、通貨の発行上限が固定されている限り、正確な発行量は関係のないことだ。(あらかじめ知られているため)

このように、ビットコインの発行上限は正確には2100万枚ではないが、これがビットコインに与える影響は無いだろうと結論づけている。

2100万枚の背景

ビットコインの発行上限が約2100万枚となった背景について、バイナンスはブログ内で説明を行っている。

「21」は三角数で、三角数とは、点を正三角形の形に並べた際に、点の個数としてあらわれる数字のことを指す。

これは、より簡単かつ効率よく計算を行える値だという。こうした数理的な理由から、「21」の値を利用し、ビットコインの4年を周期とした半減期のプロトコルが決定された、としている。

これを基に、4年ごとに生成されるブロック数を計算すると以下のような数式であらわされる。

6(一時間当たりのブロック生成数)* 24(一日あたりの時間)* 365 (1年あたりの日数)* 4(年数)

=210,240 ≒ 210,000

それぞれのブロック報酬の合計は以下の計算で求められる。

50 + 25 + 12.5 + 6.25 + 3.125 + 1.5625 = 100

こうして求まった値を掛け合わせると、およその発行上限が分かる。

210,000 * 100 = 2100万

こうした経緯で発行上限が決定されたが、『サトシ・ナカモト』が過去に送った電子メールの内容を確認すると、この結論に至るまでには多くの苦悩があったことが読み取れる。そのメールには、以下のように記述されている。

コインの発行上限と半減期に関する私が下した選択は、知識に基づく推測によるものだ。

一度ネットワークがロックされてしまえば後戻りができないため、これは難しい選択だった。

半減期の意味とは

ビットコインのネットワークにおいて、半減期が担う役割にはどういったものがあるのだろうか。この問いにも、バイナンスはブログ内で言及している。

法定通貨の場合、無限に通貨を発行することが可能であるため、インフレーションが発生する可能性がある。これにより、その通貨が持つ資産価値が減少するリスクが常に付きまとい、購買力も下がりうる、という。

一方で、仮にビットコインの発行数が設定されなかった場合、無限にビットコインが発行されることになるが、発行上限と半減期が存在することで、20,999,999.9796 BTC以上のビットコインが市場に供給されることがなくなる。

このようにビットコインと法定通貨を対比したうえで、半減期の意味について同ブログでは二つの役割を挙げている。

  • 通貨インフレのリスクの排除
  • 半減期のたびに、BTCの供給減少により需要の高まりが見込める

さらに統計データの試算によると、秘密鍵紛失などの人為的過誤ですでに400万BTC(総発行数の20%ほど)は永久ロスになっている。

過去にサトシが送信したメールには、将来0.001BTCが1ユーロと同等の価値が付くことを想定していたが、現在は0.001BTCは約8ユーロとほぼ同等の価値となっている。サトシの予測の8倍になったわけだ。

新型コロナウイルスの影響から、現在、混沌とした市場環境は続いているが、そんな中、4月30日にはビットコインが再び9000ドル台に突入、コロナショック時の暴落から相場は全回復。年初来対ドル変化率で、ゴールドを上回り、一位を記録している。

リーマンショックによる金融危機で誕生したビットコイン、その真価が今試されているのかもしれない。

*今後の半減期予定表

出典:Binance

参考:There Will Never Be 21 Million Bitcoins.

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/16 火曜日
18:08
米SEC委員長が警告、「仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れ」
SEC委員長が仮想通貨タスクフォース円卓会議で、過度な規制により仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れがあると警告。国家安全保障とプライバシー保護のバランスを強調し、トランプ政権の方針と一致する姿勢を示した。
17:22
ナスダック、23時間取引体制を提案 仮想通貨取引モデルが影響か
ナスダックが1日23時間の株式取引体制を米SECに提案。仮想通貨の24時間取引が投資家の期待を変化させたことを背景に、2026年後半の導入を目指す。NYSEも22時間取引の承認を取得済み。
16:15
ペイパル、SparkでPYUSD貯蓄商品をローンチ 年利4.25%
ペイパルがSparkと提携し、年利4.25%のPYUSD貯蓄商品を開始。10億ドルの預金目標を掲げ、Paxosの連邦免許取得により規制面での優位性も確保。
15:27
中国で仮想通貨マイニング施設が大規模停止か 当局が2週間前に警告
中国新疆で仮想通貨マイニング施設の大規模停止が報じられた。ビットコインのハッシュレートが急落し、40万台のマシンが停止したとの推定も。2021年の全国取り締まり後、地下で復活していたマイニング活動に再び規制の動きか。
13:30
2025年ブロックチェーン人気ランキング、XRP初のトップ10入り=CoinGecko
CoinGeckoが2025年ブロックチェーン人気ランキングを発表した。ソラナが2年連続トップとなるも関心度は12ポイント減少した。XRPレジャーが初のトップ10入りを果たし、SuiとBNB Chainのシェアが大幅に拡大した。
13:00
Visa、銀行向けステーブルコイン事業支援を開始
決済大手Visaが「ステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティス」を立ち上げた。銀行や企業のステーブルコイン戦略構築を支援する。
11:07
トランプ関連のアメリカン・ビットコイン、1000BTCを追加購入
トランプ関連のアメリカン・ビットコインが12月に1000BTC以上を追加購入。上場企業上位100社の保有総額は108万BTC超に達し、企業のビットコイン財務戦略が加速。
11:05
SBIとスターテイル、信託型円建てステーブルコイン共同開発へ
SBIホールディングスとStartale Groupが日本の金融規制に準拠した円建てステーブルコインの共同開発でMOUを締結。信託型3号電子決済手段として2026年度1Qのローンチを目指す。
10:20
仮想通貨「市場構造法案」採決は2026年に先送り
米上院銀行委員会がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める「市場構造法案」の採決を来年に先送りした。超党派による協議が継続中だ。
10:05
仮想通貨投資商品、先週は約1340億円の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約1,340億円の純流入だったと報告。ビットコインなどの原資産別のデータも公開している。
09:59
ビットコインのアクティブアドレスが1年ぶりの低水準に、マイナー収益圧迫
ビットコインのアクティブアドレスが66万件と1年ぶりの低水準に落ち込み、マイナー収益も減少。Glassnodeによると、ETF承認後に取引がオンチェーンからETF経由にシフトしており、手数料の低迷が続けば長期的なネットワークセキュリティに懸念が生じる可能性がある。
09:35
メタマスクがビットコイン対応を追加、法定通貨での購入や送金が可能に
イーサリアム最大級のウォレット、メタマスクがビットコインのネイティブサポートを発表した。法定通貨での購入、ネットワーク送金、他の仮想通貨との交換機能が利用できるようになった。
08:30
ビットワイズ、ハイパーリキッドETFの修正届出書を提出 
ビットワイズが16日、ハイパーリキッドETFの修正登録届出書を提出し、ティッカーシンボルと運用手数料を設定した。ブルームバーグのアナリストは、通常こうした動きは上場が近いことを示すと指摘。
08:05
ビットコイン一時80万円下落、米規制先送りと雇用統計前で市場に警戒感広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で一時約80万円下落した。米上院で市場構造法案の審議が2026年へ先送りされることが決定されたことに加え、米雇用統計が16日に発表されることを受け、投資家の警戒感が高まったことが主な下落要因である。
07:50
トランプ大統領のFRB議長候補、仮想通貨支持派ハセット氏に反対の声=CNBC
CNBCによると、FRB議長候補として有力視されていたケビン・ハセット氏に対し、トランプ大統領に近い高官らから反対の声が出ている。トランプ氏は13日、ケビン・ウォーシュ元FRB理事が候補リストのトップに浮上したと述べた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧