GMO、世界初となる認可済み日本円連動ステーブルコインGYEN(ジーエン)発行へ

日本円のステーブルコイン発行へ

GMOインターネット(以下、GMO)は29日、日本円(JPY)に1:1で裏付けられた暗号資産(仮想通貨)ステーブルコイン「GYEN(ジーエン)」を発行すると発表した。

日本円に担保された、法定通貨担保型(円ペッグ通貨)のコインで、米ドル建てのテザー(USDT)やUSDCなどが主流になるなか、規制当局の認可の元に発行される「日本円建て」のステーブルコインは世界初とのこと。

米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から認可を取得し、まずは仮想通貨を購入する海外居住者の利用を想定する。日本でも規制が整備されれば国内取引所への上場を検討し、決済や海外送金の手段として普及を拡大させる計画だ。GMOは日本円にペッグしたステーブルコインが発行されるのは世界初だと説明している。

GYENについては昨年12月、ブロックチェーンの開発を完了し、内部で実証実験を開始したことが明らかになっていた。今年5月の第1四半期決算説明会では、規制当局から認可を取得し次第、ローンチを行う計画を発表している。

関連GMOインターネット、日本円連動の仮想通貨「GYEN」5月にも当局認可を予定

GYENのメリットは送金の速さと手数料の安さだ。日経新聞によると、日本円をそのまま海外に送金すると数パーセントの手数料がかかる上に着金に数日かかることもあるが、GYENの手数料は1回あたり数十円から数百円で、送金時間も数十分で済む。

一方でステーブルコインを初めとする仮想通貨はマネーロンダリングなどに悪用される懸念がある。GMOは米国の規制に準じ、発行時に取得者の本人確認(KYC)を徹底し、送金の流れも監視しながら当局へ定期的に報告する対策を講じる。

今後は2021年1月以降に米国や欧州、アジアを含む世界6カ所の取引所にGYENを上場し、初年度に数百億円の発行を目指すという。ステーブルコイン「GYEN(ジーエン)」は、早ければ1月にもローンチされ、海外で取引が可能になる。

GMOのステーブルコインはイーサリアムブロックチェーンが基盤だ。

今回の認可について

今回NYDFSから取得した認可は「特定目的信託会社」と呼ばれる。NYの銀行法に基づいた認可で、ステーブルコインの発行、運営、両替を行うことが許可された。

今回取得した認可では日本円だけでなく、米ドルに連動したステーブルコインも取り扱うことが可能。GMOの米ドルステーブルコインのティッカーは「ZUSD」だ。

NYDFSの監督官は今回の認可の発表で、「ステーブルコインは重要性が増しており、お金の未来について新しい方向を提示している。ニューヨーク州は金融のイノベーションにおいて最先端に立ち続けなくてはならない」と主張。

「今回の認可は当局が市場の一体性を維持し、消費者を保護できるよう監督しながら、イノベーションを促進できることの証明になる」と述べた。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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