仮想通貨アナリストが考察、過去2回のビットコイン「半減期」相場からみる今後の展望
ビットコインの過去相場を基に予想
仮想通貨アナリストEcoinometrics氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインにおける過去2回の半減期後相場と、現在の相場を比較し、今後の展望を考察した。
2009年、ジェネシスブロックが生成されたビットコインの総供給量は、考案者のサトシ・ナカモトによって2100万枚と定められている。同時に4年に1度、ブロックチェーンのマイニングによる新規発行量が減少する半減期システムも決められ、以後ビットコイン相場では2012年、2016年と2020年と3度起きた。
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過去の半減期後の値動き
2012年11月、第1回目の半減期後のビットコインは、10倍以上に高騰した後、調整を挟んで100ドル付近を推移。調整後に再び10倍の高騰で1,000ドルに到達した後、徐々に価格は低下した。
その後2016年7月、第2回目の半減期を迎えた。第1回の半減期後の相場とは異なり、急激な上昇ではなく、上昇と下落を繰り返しながら段階的に半減期時の10倍まで価格が高騰している。
サイクル的には、前回同様、価格が半減期時の10倍に到達した後、次の半減期まで徐々に下落する傾向が見られた。
第3回半減期後の相場(現在)
1月8日現在、2020年5月の半減期から約8ヶ月(241日)が経過しているが、Ecoinometricsは現在の相場を強いて言えば「第1回の半減期後の相場に近い動き」と形容する。
当時とは市場規模や相場環境が大きく異なるため単純比較はできないが、Ecoinometrics氏は極論として、「過去相場の平均騰落率だけを踏襲した場合、4月中旬までに10万ドル(1000万円)、5月までには38万ドル(4000万円)まで価格上昇が続くかもしれない」との試算を投稿している。
半減期後の相場:価格下落の幅と確率
またEcoinometrics氏は、過去の相場の下落(Drawdown)する幅と確率を下記のようにチャート化。50%の下落は8%以内、70%は15%以内、80%は23%以内、90%の下落は37%以内という結果となった。
なおチャート右下のアノマリー的な下落80%以上の大幅なもので, いずれも次の半減期が迫り、1年以上続いたと説明している。
過去相場の同数値を1月上旬時点(現在)の相場に当てはめ、約350万円を指標に概算すると下記のような数値となる。
- 50%の下落は31800ドル(約330万円)以内
- 70%の下落は29600ドル(約310万円)以内
- 80%の下落は26800ドル(約280万円)以内
- 90%の下落は22000ドル(約230万円)以内
このような数値を基に、Ecoinometricsは1万ドルや2万ドルへの下落が起こる可能性は限りなく低いと結論。これからビットコイン投資を始めることを考える際、徐々に積み立てながらの購入を呼び掛けた。
著名アナリストのWilly Woo氏も長期的な売りが大量に入ったことを要因に、同様の見解を述べている。昨年3月に発生したいわゆる「コロナショック」のようなブラックスワンが起きない限り、ビットコイン価格が再び2万ドル(約200万円)に戻ることはないとWoo氏は分析していた。
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CMEビットコイン先物市場の分析
また2017年末から取引が行われるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物市場についても言及し、オプション市場も3対1の割合でコール(ロング)優勢になっていると説明。相場の高騰で資金はほとんど現物市場に流入している可能性があると分析した。
さらにビットコイン建で先物の取引枚数を見るとさほど変化ないものの、ビットコインの価格上昇に伴い、未決済建玉も過去最高水準に到達していると述べた。
仮想通貨分析企業Skew社によると21年1月にはビットコイン先物の日間出来高は27億ドル(約2800億円)を記録している。
その他にもCMEのビットコイン先物市場に置いてスマートマネー層からのショートポジションが減少していると指摘した。
スマートマネー(Smart Money)は機関投資家や中央銀行、ファンドなど一般投資家より大きい資産を投じる金融プロの投資家を指す。
過去最高の高値圏を推移しているビットコインだが、過去の半減期と現在とでは市場規模や相場環境は大きく異なるため、参考程度として留意しておきたい。
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