イーサリアム(ETH)とネム(XEM)の市場背景を解説|CoinPostのYouTube配信
イーサリアムとネムの高騰要因は
CoinPost代表各務と暗号資産(仮想通貨)取引所TAOTAOのクリプトアナリスト仮想NISHI氏は9日、CoinPost YouTube番組に出演。イーサリアム(ETH)とネム(NEM)の価格高騰の要因などについて解説した。
上場企業による初のイーサリアム購入事例
イーサリアムの高騰の短期的な要因として、7日、香港証券取引所に上場する中国企業「Meitu(美図)」がビットコイン(BTC)とイーサリアムを購入した事例を挙げた。
購入額は計4,000万ドル(約40億円)と、需給に影響を与えるほどの価格ではないとしつつも、中国系の上場企業が仮想通貨を購入したこと、ETHが上場企業(非仮想通貨関連企業)の財務資産として組み入れられた最初の事例となったのが大きく影響していると指摘した。
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一方で、Meituは中国企業でありながらも、上場先が香港で登記先はケイマン諸島であることから、この事例を以てして他の中国企業が追随して仮想通貨購入に動くとは限らないとも付け加えている。
今回の注目ポイントしては、以下の2点を挙げた。
- 登記先がケイマン諸島にあるなど複雑な状況にある企業について、中国政府がどのような動きを見せるか
- 似たような状況にある上場企業が今後どう動くか
EIP1559の実装が決定
続いて、手数料(ガス)システムについての改善案「EIP1559」が、「ロンドン」のアップグレード(7月ごろ予定)で実装されることが決定したことがイーサリアムの価格高騰について最も材料視されていると指摘。
EIP1559では、送金手数料をオークションスタイルから標準価格設定に変更することにより、過度な手数料高騰を抑制し、価格がわかりやすくなることが見込まれる。また、手数料の一部がマイナーに送られずバーン(焼却)される仕組みに変わるため、希少価値が高められる。
一方で、手数料を抑えることによりマイナーの収入が減るため、一部のマイナーが反発していることを指摘。マイナーのコミュニティ内で議論が起こり、プロジェクトが分裂する可能性も一部で懸念材料となっているとし、今後のマイナーの動向を注目ポイントとして挙げた。
また、このようにブロック報酬を変更するといった提案も代替案として提出されている。
ローンチを控えたSymbol
NEMの上昇要因については新規チェーン「Symbol」が15日にローンチを控えていること、それに伴いNEMのスナップショットが12日に控えていたことを挙げた(12日にスナップショットは完了)。また、Symbolローンチ後もNEMが多くのイベントの開催を発表していることも大きな要因であるとした。
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日本人投資家の注目ポイントとして、3月16~18日に日本経済新聞社と金融庁により共催される日本最大級のフィンテックカンファレンス「FIN/SUM 2021」にNEMが登壇することを挙げた。
なお、NEMは12日に実施されたスナップショットを境に価格が急落。3月初旬、一時は80円を超えていた価格が、本記事執筆時点で約40円となっている。
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