時価総額100兆円突破の要因は
CoinPost代表各務と暗号資産(仮想通貨)取引所TAOTAOのクリプトアナリスト仮想NISHI氏は19日、CoinPost YouTube番組に出演。17日に時価総額が対日本円で100兆円を、20日に対ドルで1兆ドル(約105兆円)を突破したビットコイン(BTC)について、価格高騰の要因を解説した。(前回の放送内容はこちら)
米大企業の参入
まずビットコイン高騰における直近の要因については、複数の米大手企業による仮想通貨参入を挙げた。
なかでも、テスラ社によるビットコインの大口購入は他の企業の動向に大きく影響を与えたと強調。事実、その直後に価格は急騰、さらにBNYメロンによるカストディサービスの展開や、マイクロストラテジーのビットコイン追加購入計画の発表などがあり、一気に時価総額は100兆円に到達した。
また、テスラの大口購入の後にマスメディアの報道のしかたにも変化があったとも指摘している。
テレビ番組のなかのインタビューなどで、企業の関係者に対しビットコインをどのように見ているかといった質問がされる機会が増え、企業としてもビットコイン購入について言及しやすい雰囲気が醸成されたという。
1年間の流れ
次に、この1年間を通してビットコインの価格を押し上げた主な要因を分析した。
まず、2020年3月に端を発したコロナショックにより経済情勢や金融業界のありかたが大きく変化したこと、そして、5月に訪れたビットコインの半減期がそのあとの動きに大きく影響を与えたと説明し、以下の5つの要因を挙げた。
- 1.ファンド参入
- 2.米上場企業参入
- 3.個人向け市場拡大
- 4.銀行参入
- 5.S&P500企業参入
ビットコインの半減期の直後に、ヘッジファンド業界のパイオニア、ポール・チューダー・ジョーンズ氏がインフレヘッジで資産の2%を投じてビットコインを購入。ファンドの参入は、最初のターニングポイントとなったと指摘した。
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8月には、米マイクロストラテジーもインフレヘッジのためにビットコインを大量購入したが、これを皮切りに大企業によるビットコイン購入の動きが加速したと説明。その後のDeFiバブルや米スクエアによるビットコイン購入もあり、さらに価格は引き上げられた。
10月のPayPalによる仮想通貨取引サービスの開始は、より多くの個人投資家や投機家が仮想通貨市場に参入する契機として大いに注目されたと説明。
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また、12月には東南アジア最大手銀行「DBS銀行」が機関投資家向け仮想通貨取引所サービスを開始し、2021年のテスラ等のS&P500企業参入に間接に繋がったと解説した。