人気NFTアーティストBeepleが語る非代替性トークンの可能性
「NFTの世界はまだ始まったばかり」
NFT(非代替性トークン)によるアート作品が、先日約75億円で落札された人気デジタルアーティスト「Beeple」氏が米メディアCNBCに出演。「NFTの世界はまだ始まったばかり」だとしてその可能性を語った。
NFTは現在、新たな資産として急速に注目を集めている。それぞれのトークンが唯一無二の価値を持つNFTは、これまでのところ、デジタルアート、スポーツ選手やアイドルのファン収集品、ゲーム内アイテム、音楽などの分野で多く展開されてきた。
Beeple(本名Mike Winkelmann)氏は、NFTの可能性はまだほとんど発掘されていないと述べる。
所有権を証明することに関わる様々な事例で、自動車購入と同じくらい一般的に導入できるとして、卒業証明書や住宅の保有証明などをNFTで作成する可能性を挙げた。
NFTを使えば、こうした資産の所有権は、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)のネットワークと同様に、検証可能で改ざん耐性を持つブロックチェーンに記録されることになる。
「何かの所有権を証明したい時はいつでも、そこにNFTのユースケースがあると思う」とBeeple氏は意見。また、若い世代が従来の株式取引に抵抗を感じた場合、代替資産として魅力になり得るとも述べた。
NFTは誇大評価されている?
現在のNFTをめぐるブームが衰えて価値が急落することは起きないかと聞かれBeeple氏は、現在一部のNFT作品は過剰に評価されているかもしれないとコメント。しかし、インターネットがそうした道をくぐってきたようにNFTも存続していくだろうと、次のように見解を語る。
インターネットの初期にもバブルがあり、その後崩壊した。それでも、人々はインターネットを使い続けた。現在、価値を誇張されているプロジェクトがあるかもしれない、そして今後、実際の価値を持たない多くのプロジェクトが一掃されるかもしれない。しかし、NFTの技術は実質のあるもので、今後も存続していくだろう。
また「ニューヨーク近代美術館(MoMA)など伝統的な美術機関も、NFTのデジタルアートを受け入れるか?」という質問に対しては、まだそうした美術館から連絡はないとしつつ、デジタルアートも今後受け入れられ得ると回答。他の様々な媒体を使ったアート同様に、自分のデジタルアートも、手作りの要素、メッセージ、美術としての細部のニュアンスなどを持っており、一つの芸術形式として認められるだろうという。
スポーツ界でも相次ぐNFT発行事例
さらに、NFTの発行事例も相次いでいる。最近では、アメリカンフットボールの最高大会スーパーボウルのチャンピオンチームプレーヤーのRob Gronkowski氏もファン向けにNFTによるトレーディングカードを発売すると明かした。
Gronkowski氏自身も、野球やフットボールのトレーディングカード収集に夢中になった経験があり、ファンにそうした機会を提供できるのがとても嬉しいとコメントしている。
スポーツ界では他に、バスケットボールのデジタル・トレーディングカード「NBA Top Shot」も人気を博しており、7日までの1週間だけでも約3,400万ドル(約37億円)の売上を記録した。
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